がんを治す方法

はじめに

・本論に入る前に、是非考え直してほしいことを先に述べる。それは、がん検診やがん医療が進んでいなか
 った時代には、多くの人は高齢になるまで生き、いわゆる”老衰”によって亡くなっていった。死体解剖し
 てみると、多くの老人にがんが見つかるのであるが、それが直接の死因ではないことが多い。要するに、
 がんを持ったまま高齢になるまで元気に暮らして来られているのである。がんとはそういうものなので
 ある。

・ではなぜ、がんを早期に発見することがよいと宣伝されているのかと言うと、小さながんを発見し、それ
 に対して治療行為を行うときに、それらに関係した人間に利益が生じるからである。ただそれだけのこと
 である。

・だからこそ、がん検診を受けて小さながんを発見することは、実際には百害あって一利無しである。多く
 の人は、医療機関や国や自治体の「早期発見、早期治療」の呼びかけに対して耳を疑うことはない。ほと
 んどの人が信じ切っている。だからこそ、若くしてがんで亡くなるという不幸な現実を目の当たりにする
 のである。

・がんが発見されたら、その時からあなたは「がん患者」に急変身し、精神的にも肉体的にも経済的にも
 「負のスパイラル」に沈み込んでいくのである。もう一度よく考え直していただきたい。

がんを治す方法

・不運にも検診を受け、がん(癌;ガン;悪性腫瘍)が発覚した場合、それを根本的に治す方法は以下に述
 べる方法しか無い。がんは多くの種類に分類されているが、例えどのようながんであっても、それを治す
 ためにはここに記述する方法が基本中の基本である。

・一般的な病院、あるいはがん専門医と称する医師による治療を、どれぐらい併用するのかは気になるとこ
 ろであるが、がんの治癒にプラスになる場合もあるかもしれないが、多くはマイナスになっていることを
 知っておくべきである。

・外科医は手術するために腕を磨いてきた、放射線医は放射線を浴びせる技術を磨いてきた、内科医は薬の
 使い方を後から苦労して学んできた。医師たちはその手段を使って治療行為をすることが仕事なのである。
 その治療をしないことには、自分の存在に意味が無くなる。だから何が何でも手術したり、放射線を浴び
 せたり、抗がん剤を使ったりするのである。社会の仕組みをよく知って欲しい。

・がんは生活習慣病であるが、日本の医学部では生活習慣を改めるための基本となる栄養改善・代謝改善・
 生活改善に関する専門教育が行われていない。だからこそ、日本の医師はそのようなアプローチの仕方を
 しようとしないし、その重要性を知らない。或いは気づいていても病院の方針に合わない、または儲から
 ないから手をつけようとしない。

・治療行為によって、がん細胞をある程度死滅させることができても、治療行為によって臓器の機能を低下
 させた状態が続けば再発しやすくなる。また、治療行為によって幸運にも元気になったが以前と同じ生活
 をしていれば必ず再発する。これまでにがんで亡くなった人のケースをよく思い出していただきたい。

・がん細胞は、特にがん化した当初は遺伝子的には正常であり、発がんの原因となるものを改善すれば、元
 の組織の細胞に再分化する能力を持っているのである。すなわち、治るのである。

・日本では少数の医師のみが、栄養改善・代謝改善・生活改善が最も有効なことを知っている。そういった
 医師の指示であれば、がんの勢いを少しだけ抑えるために、少量の抗がん剤を併用することは有効である
 場合がある。ただし、リンパ球数が減少したりなどの免疫力低下は絶対にあってはならない。

・一般的には、抗がん剤は全身の細胞にも毒となるため、特に免疫系の細胞にダメージを与えてしまうと、
 治るものも治らなくなる。従って、余命何ヶ月などといった無責任な話しになるわけである。ある特定の
 白血病については、それ専用の抗がん剤を複数組み合わせて使うことが有効な場合があるが、そういった
 例はごく少数である。

・また、抗がん剤は一時的にがんを縮小させるかもしれないが、やがてその抗がん剤は効かなくなる。この
 ことは、抗がん剤の二つ目のデメリットである。その場合、病院ではまた別の種類の抗がん剤を使うことに
 なるが、それもやがて効かなくなる。その頃には一般細胞や免疫細胞も相当なダメージを受けているので、
 がんは更に進行する。

・摘出手術が有効な場合もあるが、残念ながら過去の治療成績としては、栄養改善・代謝改善・生活改善を
 併用しない限りは、摘出しても再発するのが一般的である。それは、発がんした原因を解決していないから
 である。何度も言うが、多くのがんは遺伝子病ではなくて生活習慣病である。

・放射線療法については、照射精度が向上してきているので有効な場合があるかもしれないが、放射線は
 やはり正常細胞のがん化リスクを増大させるものであり、過信は禁物である。この場合も必ず栄養改善・
 代謝改善・生活改善と併用して、正常細胞の新たながん化を避けないことには根本的な治療にはならない。

・がんがかなり進行していて、末期だと言われ、余命何ヶ月と宣告され、摘出手術や放射線療法、そして
 抗がん剤投与も無駄であると言われた場合でも、栄養改善・代謝改善・生活改善で治ることがある。いや、
 治ることの方が多い。がんが発生した原因を完璧に取り去って新たながん化を避け、遺伝子が正常ながん
 細胞を本来の組織の細胞に再分化させ、遺伝子変異を起こしたがん細胞については免疫力を高めることに
 よってがんの細胞死を誘導することである。

・そのためには、次に書き上げることを実行することである。
重要と思われる順に書いていく。


--------<がんを治す方法>--------------

1.発がん性物質から遠ざかること
 ・喫煙している人は必ずタバコをやめること。
 ・ジャンクフード、コンビニ弁当、市販のパン、保存料の入った加工食品など、加工度の大きな食品は絶対
  に食べないこと。
 ・その他、発がん性のありそうな物質からは極力遠ざかること。できれば空気の綺麗なところに住むこと。
 ・体内でも発がん物質が生じる。特に洋食によってもたらされた腸内環境の悪化は発がんの大きな原因で
  ある。だからこそ、次に述べる食事をすることが重要である。

2.肉はしばらく食べないこと
 ・少なくとも工業化して生産される豚、牛、鶏の肉は少なくとも数年間は厳禁である。
 ・なぜなら、これらの肉に共通した次のような特徴が発がんをもたらした主原因だからである。
  ◇家畜や家禽には肥育のための各種ホルモンや成長因子が多く使われていること。
  ◇カルシウムに対してリンが過剰に含まれており、過剰のリンは様々な組織障害をもたらすこと。
  ◇炎症を収束に向かわせるDHAやEPAはほとんど含まれておらず、逆に炎症を惹起させるアラキドン酸が
   多く含まれていること。
  ◇小胞体ストレスを増加させる動物性タンパク質が多く含まれていること。
  ◇動物性脂肪(飽和脂肪)が多く、それによって腸内細菌叢が悪化すること。
 ・がんが縮小してきても、安心して食べてはいけない。ただし、良質かつ適度な量のタンパク質やアミノ酸
  を摂ることは必要であるため、玄米の他には小魚や大豆製品でまかなうことである。

3.牛乳などの動物性のタンパク質や脂質も制限すること
 ・牛乳も、上述の肉と同じ理由であるが、牛乳にはいわゆる女性ホルモンや各種の細胞成長因子がさらに
  多く、特に乳がんや子宮がん、前立腺がん、及び肺の腺がんを進行させてしまう。
 ・牛乳中の乳糖、タンパク質であるカゼインも良くない。
 ・また、リンやカルシウムの含有率が高すぎ、それに比べてマグネシウム含有率が低いことも牛乳が良く
  ない理由の一つである。カルシウムのみを重視する間違った栄養学を鵜呑みにしてはいけない。
 ・ヨーグルトなどの発酵食品は、良質のものならば適度に食べても良いかもしれないが、日本人は本来は
  牧畜をしてこなかった民族であることを忘れてはならない。

4.大量の野菜や果物を食べること
 ・この目的は3つある。一つは必要なミネラル、ビタミン、ファイトケミカルを充分摂ることである。
  ファイトケミカルの中では、特にケルセチン、DIM(ジインドリルメタン)、I3C(インドール-3-カルビ
  ノール;DIMの前駆物質)、EGCG(エピガロカテキンガレート (エピガロカテキン3-ガレート))が著効
  を示す。
 ・二つ目は、大腸にまで届く難消化性の繊維質を摂ることである。
 ・三つ目は、その繊維質によって多種類の腸内細菌が生きることになり、それによって腸管から発生する
  有害物質が消費されたり無毒化されると共に、がんを抑えたり大腸上皮細胞のエネルギー源になる酪酸を
  増やすことが可能となる。
 ・「人間様の栄養」ばかりを考えているから誤るのである。半分は腸内細菌を育成するために食事をするの
  である。要するに、大腸に至るまでに消化されない繊維質を食べることが重要なのである。

5.主食は玄米、あるいは玄米を含んだ五穀にすること
 ・玄米に多く含まれるγ-オリザノールは小胞体ストレスを軽減してくれる。
 ・難消化性の繊維質を摂ることができ、また冷えた玄米ご飯は消化しにくいβ-デンプンに形を変えるため、
  大腸内の腸内細菌の餌になって有益である。
 ・消化を良くする必要はさらさら無い。「消化の良いものを食べる」ことの弊害を知らなければならない。
  消化が良いほど大腸の酪酸菌のエサが無くなり、ポリープができやすくなるのである。
 ・玄米以外にも、胚芽が付いている穀物は、あらゆる栄養素を含んだ完全食品である。
 ・精白された米、精白された小麦から作られる麺類やパンは繊維質が少なく、血糖値を急上昇させるために
  出来るならば避けることである。

6.ミネラルとしてマグネシウムと亜鉛を積極的に摂ること
 ・マグネシウム不足と亜鉛不足は、現代日本人様々な病気の原因となっている。これらの不足によって起こる
  各種酵素の不足が発がんの要因の一つでもある。
 ・マグネシウムはATPが働くときに必須であり、カルシウムポンプの駆動、多くのタンパク質のリン酸化や
  脱リン酸化に必須であるため、これが不足すると細胞がまともに働けなくなる。
 ・カルシウムは血管を収縮させるが、マグネシウムは血管を広げて血行を良くする。
 ・カルシウムはミトコンドリアを膨化させるが、マグネシウムは逆にそれを抑制する。ミトコンドリアの不調
  も発がんの原因となりうる。
 ・亜鉛は次のような物質や酵素(亜鉛酵素)に欠かせない元素である。それは、小胞体ストレスを軽減させる
  メタロチオネイン、活性酸素を消去するSOD、タンパク質を分解する各種のプロテアーゼ、乳酸脱水酵素、
  アルコール脱水素酵素などに必須の元素である。
 ・亜鉛は免疫細胞の活性化のためのシグナル伝達物質としても働いている。
 ・適宜、サプリメントで補うことが有効である。

7.塩分は限りなく無塩にすること
 ・胃がんの原因の多くは塩化ナトリウムの摂りすぎによる胃粘膜損傷と、それによるピロリ菌感染が原因で
  ある。
 ・必要量の塩化ナトリウムは、下記の野菜などから摂取できる分で充分まかなえる。ナトリウムの1日の必要
  量は600mgであり、塩化ナトリウムに換算すると1.5gである。ところが、日本人は平均的に1日に10g
  もの塩化ナトリウムを摂っている。
 ・余分に摂ったナトリウムを排泄するために、多の重要なミネラルが犠牲になっている。

8.DHA、EPAを積極的に摂ること
 ・DHAやEPAからは、炎症を収束に向かわせる生理活性脂質が作られるため、これが不足すると一度起こった
  炎症が収束せずに慢性炎症となる。慢性炎症は発がんの大きな原因である。
 ・また、細胞膜や小胞体膜などの生体膜の流動性を上げることができる。流動性が上がると、タンパク質の
  処理がスムーズになり、小胞体ストレスが軽減される。
 ・寒冷な海に棲む背の青い魚類に多く含まれているが、海洋汚染のことを考えると、良質なサプリメントを
  活用することが賢明である。

9.亜麻仁油、シソ油、エゴマ油でα-リノレン酸を摂ること
 ・α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変換されるため、これを積極的に摂ることも有効である。ただし、その
  変換能力は決して高くないため、やはり上述のEPAやDHAを摂っておきたいところである。

10.ビタミンB1、ナイアシンなどのビタミンB群を積極的に摂ること
 ・代謝、特にミトコンドリアを元気にするために積極的に摂ることが重要である。
 ・ナイアシン(ニコチン酸)は、毛細血管を広げて血行をよくするため、嫌気条件によってがん化した細胞が
  正常組織の細胞に再分化できる条件を作る。
 ・適宜、サプリメントで補うことが有効である。

11.ビタミンCを積極的に摂ること
 ・主に活性酸素を駆除するために有効となる。
 ・組織を構成するコラーゲンの生合成にとっても必須である。
 ・適宜、サプリメントで補うことが有効である。
 ・点滴によるビタミンC大量投与は、一時的に血管内に過酸化水素が生じ、これを無毒化する酵素活性が低い
  がん細胞にとっては少々のダメージとなる。

12.タウリンを積極的に摂ること
 ・肝臓を元気にし、発がん性物質などの解毒を進め、全身の代謝も改善する。
 ・がんでなくても、タウリンの摂取は年齢が高まるに連れてその効果が体感できる。
 ・適宜、サプリメントで補うことが有効である。

13.L-カルニチン、クエン酸を積極的に摂ること
 ・ミトコンドリアに脂肪酸を運びやすくして、元気にする。
 ・ミトコンドリアの元気がなくなると、ミトコンドリアの老化が進み、がん細胞の自殺が抑制される。
 ・適宜、サプリメントで補うことも有効であろう。

14.大豆などの豆類、芋類を積極的に食べること
 ・植物性のタンパク質、イソフラボンなどのファイトケミカル類、消化性の良質デンプン、大腸に良い食物繊
  維をまとめて摂ることができる。
 ・大腸に届いた食物繊維は、大腸に棲む酪酸菌を育成し、制がんのために有効な酪酸を増やす。

15.納豆などの発酵食品を積極的に食べること
 ・発酵産物には遊離アミノ酸や菌類の代謝産物など、多くの有用な成分が含まれている。
 ・納豆に含まれている納豆菌以外の土壌細菌が腸内の発がん物質を消費してくれる。従って、昔ながらの製法
  による納豆を食べるのが良い。

16.キノコや海草類を積極的に食べること
 ・キノコや海草類には免疫力を高める多糖類が多く含まれている。
 ・また、水溶性の食物繊維も多いため、消化器系のがんには有効である。

17.痩せ過ぎでないならば、断食も有効
 ・上述のような食事をしていれば自ずと体重は減少してくるが、がん発覚時に太っているのならば、断食は
  有効な手段になる。
 ・太っている場合には様々な代謝異常が起こっているため、そのことが発がんリスクを上げている。
 ・先ずは細胞の小胞体に蓄積した余分なタンパク質を消費してしまうことが重要である。
 ・摂取エネルギーが極端に少なくなると、体内の脂肪がβ酸化によってエネルギーに変えられ、その時に多く
  発生するNADがミトコンドリアを新生させる。
 ・同時に免疫細胞をはじめとした全身の細胞が活性化される。病気の時は(多く)食べないことは動物の基本
  である。
 ・食べないことは体内に入る有害物質を減らすことでもある。
 ・断食の時にはエネルギー源になる糖質、脂質、タンパク質は断つが、上述したビタミン、ミネラル、繊維質
  は必ず摂取すること。

18.体を冷やさないようにし、温めること
 ・体温を上げると免疫力が大幅に向上する。
 ・暖かいと副交感神経が優位になりやすく、免疫力が向上する。
 ・全身の血行も良くなり、細胞外の環境も速やかに改善される。
 ・機器類を使うのなら、深部の内臓にはラジオ波、咽頭などの浅い部位ではマイクロ波による加熱が有効で
  ある。これはどちらかというと、がん組織を特に加熱して死滅させる目的もある。
 ・遠赤外線も、がんを正常組織に戻すために有効である。
 ・温泉や熱めの風呂に入ることも有効である。

19.多く笑い、快活に過ごすこと
 ・副交感神経が優位になって、ナチュラルキラー細胞が関与する自然免疫力が向上する。
 ・初期のがん細胞に免疫力は殆ど無力であるが、遺伝子が変異してきたがん細胞には免疫力で自滅に追いやる
  ことができる。

20.適度な運動をすること
 ・血流を改善し、酸素消費とエネルギー需要がミトコンドリアを元気にする。
 ・筋肉のポンプ作用によってリンパの流れを良くし、組織が浄化される。
 ・適度な運動は免疫力を向上させる。
 ・精神をリラックスさせ、快活になる。

21.適度に日光を浴びること
 ・ビタミンDの確保、免疫力などの多くの身体機能を高めることになる。
 ・紫外線を浴びることはたいへん重要である。紫外線の当たらない病室に入院すると、多くの病気が進行し
  やすくなる。
 ・また可視光線の中の青色光にも細胞を元気にさせる多くの作用が見出されている。

22.がんと闘おうとすることは厳禁である
 ・「がんと闘うぞ!!」と思った瞬間に戦闘モードになって交感神経が高ぶり、免疫力が低下する。これは
  絶対にダメである。
 ・最も良いのは、がんのことなどすっかり忘れて人生を楽しむことである。そういう生活をすると、気づいた
  頃にはがんは治っている。がんとはそういうものなのである。

23.人や動物とのスキンシップを多くもつこと
 ・スキンシップによって高まるオキシトシンが免疫力を向上させる。
 ・愛情は遺伝子の発現にも影響を及ぼし、生きる力を強めてくれる。

24.早寝早起きで規則正しい生活をすること
 ・体内時計を正常化し、身体機能を高めることになる。
 ・地球の日周リズムとかけ離れた生活は、がんをはじめとした多くの疾患の原因でもある。

25.甘みが欲しいときは蜂蜜を使うこと
 ・蜂蜜の中にはいろいろな有効成分が入っている。


<関連リンク>
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2013年3月作成  2024年1月最終更新   stnv基礎医学研究室・清水隆文