はじめに ここで述べる方法は、あくまで体に器質的疾患が無いことが前提です。例えば脳や神経系に障害があっ たり、うつ病などの気分障害が原因で眠れない場合は、まずそういった不眠の原因である疾患の治療を 行うことが先決である。 <熟睡する方法 その1> メラトニンを 3mg~5mg 摂取する ・一般的にはメラトニン3mg含有の錠剤あるいはカプセル錠で良い。眠りがかなり浅いという人は、5mg 錠が良いであろう。 (ちなみに、筆者はメラトニンを愛用し始めてから十数年になる。抗酸化作用も強く、老化防止にも役 立つものと思われる。メラトニンは後述するように、脳内の松果体で産生される天然物質であり、年齢 が進むにつれて夜間の分泌量が減るために眠りが浅くなる。従って、少し補ってやれば子どもの頃の ような熟睡が得られる。間違って昼間に飲むと、けっこう眠くなるものである。) (その他、病院などで処方される睡眠導入剤(いわゆる睡眠薬)は医薬品であり、それなりに何らかの 副作用があるため、安易に手を出さないのが賢明である。) <メラトニンの生合成と、眠りに至るメカニズム>
<熟睡する方法 その2> 昼間にしっかりと太陽光を浴び、活動的に過ごす ・昼間は太陽光をしっかり浴びてセロトニンからメラトニンへの転換を防ぐことによって、増えたセロト ニンが夜に充分量のメラトニンに変換されることになる。 (仕事上の都合などで太陽光を浴びられず、充分量のメラトニンが生合成できない場合には、上述した ように外部からメラトニン錠を経口投与して補ってやればよい。) (電灯の光は太陽光に較べるとかなり暗い。夜型の生活では充分な光を受けることができないため、 健康的な睡眠が得られなくなり、昼間にダラダラとした長時間の浅い眠りに陥ってしまうことになる。) <熟睡する方法 その3> 就寝数時間前には脳温度を上げておく ・就寝する数時間前に運動をする、入浴する、唐辛子を摂取するなどして脳温度を上げておく。 ・睡眠に入る頃に脳温度が低下し、その温度落差が熟睡の秘訣だとされている。 <熟睡する方法 その4> 寝る前に青白くて強い光を見ない ・夕焼けの赤い光、たき火の赤くて暗い光を見ることで脳は一日の終わりを感じ、脳内のメラトニン量を 増やしていく。 ・室内照明は蛍光灯よりも、なるべく赤っぽい色のLEDに変更されると良いであろう。 <熟睡する方法 その5> 夜中の1時が中心になるように7~8時間寝る ・太陽の動きと体内リズム(概日リズム)がうまく同調していることも、良い睡眠の大切な条件である。 夜勤などでどうしても昼間に寝なければならない場合は、やはりメラトニンを摂取して脳内を夜の状態 に変換してやるのが良いであろう。 ・睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる22時~2時の時間帯は成長ホルモンが出て体の修復が行われる貴重 な時間帯なので、特にしっかりと寝たい。 <熟睡する方法 その6> 副交感神経優位にする ・眠れないのは交感神経優位になっているからである。具体的には、たいへんショッキングな出来事があ った、あることを心配し不安でついそのことを考えてしまう、あるいは翌日にすごく嬉しいことがある などの場合である。これらはいわゆる良くないストレスや良いストレスの状態である。 ・これらはやがて時間と脳内のメカニズムが解決してくれる。安心してゆっくりおやすみください。 <関連リンク> ◆うつ病と対策 ◆ストレスとは ◆老化を遅らせる方法 ◆記憶力を高める方法 |