優れた抗がん作用を示すファイトケミカルの一覧

優れた抗がん作用を示す植物成分・食材・サプリメント一覧

 優れた抗がん作用を示すファイトケミカル(植物成分)のうち、その幾つかについては既にブログ記事として紹介してきましたが、このあたりで、他のものも含めた全貌を紹介しておこうと思います。なお、ご心配は無用であり、これまでの記事では特に重要だと考えられるものを紹介してきましたので、それら以外に一覧表に含まれるものにつきましては、料理のレパートリーが増えたと思って、随時に採り入れていただければ結構です。
 また、最初からこのような一覧表を提示しなかった理由は、抗がん作用を示す機序を明示しないまま一覧表にて「○○が有効ですよ!」と言っても、説得力も信頼性もありませんので、先に幾つかのファイトケミカルについて、その抗がん機序を紹介させていただいた次第です。
 更に、次のことも重要になります。がんを治すことを目的とした場合、ファイトケミカルを利用することだけが全てではないということです。マグネシウム、亜鉛、セレン、バナジウム、超微量ミネラルなどのミネラル類も重要ですし、ビタミンC、ナイアシン、その他のB群、D、Eなどのビタミン類、ω3系の脂肪酸、タウリン、L-カルニチン、シトルリンなどのアミノ酸誘導体、メラトニンのようなホルモン、メトホルミンやジスルフィラムなどの医薬品を適宜利用することが有効となります。
 或いは、腸内細菌叢を改善するために、土壌細菌を摂取することや、それらの餌となる食物繊維やオリゴ糖などを摂取することも重要です。或いは、肺がんの場合など、直接吸い込むことによって抗がん効果を示すツヨプセン(ヒバ精油中の有効物質)や、吸引する形式のCBDなどが有効になります。他にも、近赤外線を始めとした電磁波を用いた局部の加温も有効となります。
 一方で、がん化の原因になった可能性の高い食品を遠ざけることです。がん化の根本原因が粗悪な食生活である場合が多いですから、それを改善しないままに上記のような抗がん物質を鋭意摂取しても効果は上がりません。他にも、運動習慣が無かったり、睡眠の質が悪かったり、精神状態がよくなかったりすることも、がん化を促進することになりますから、それを改善することが必須です。

 がんを治すことに対するファイトケミカルの位置づけは上述のようですので、それを踏まえて、掲載した表(高画質PDFはこちら)の概説をしておきます。(スマホでご覧の場合、PDFであれば高精細で見られます。)
 分類としまして、上段にポリフェノールを持ってきています。そして、表の中央右寄りに赤色の文字やオレンジ色の文字で示したのが、特にサプリメントによる摂取を〝推奨〟させていただくファイトケミカルになります。食材に含まれているファイトケミカルの量は決して多くありませんので、有効量を得ようとすると、やはりサプリメントに頼らなければならないことになります。
 最も強く推奨(No.1に)させていただくものは〝ケルセチン〟であり、1日の目安量を500mgとしています。また、オレンジ色で示したのは、次に推奨(No.2に)させていただいたサプリメントであり、フィセチンとルテオリンを挙げています。No.2にした理由は、これらは全てポリフェノールですので、ケルセチンをサプリメントにて摂取しているのであれば、他のものについては、それらが多く含まれる食材を選んで摂取することが、色々な意味で有効かつ現実的であることを意味しています。例えば、フィセチンはイチゴ、アピゲニンはパセリやセロリやタンポポコーヒー、ルテオリンはシュンギクやセロリ、ゲニステインやエクオールは大豆製品、テトラヒドロクルクミンはウコン、エピガロカテキンガレートは緑茶を飲む、などによって摂取していただければよい、ということです。

 同様のことが、その下の段に挙げた硫黄有機化合物にも言えます。敢えてサプリメントとして摂るよりも、それが多く含まれる食材を選んで摂ることのほうが、色々な意味で現実的であろうということです。ニンニク、タマネギ、キャベツ、ブロッコリー、ワサビ、ダイコンなど、精力的に食べていただければと思います。
 
 その下のインドール類につきましては、ジインドールメタン(DIM)またはインドール-3-カルビノール(I3C)を、サプリメントにて摂取することを強く推奨させていただきます。特に性ホルモン性の乳がん、卵巣がん、子宮がんなどの場合、性ホルモンの代謝をすぐにでも正常化させたいため、有効量が得られるサプリメントの摂取が必須になります。どちらかと言えば、I3Cが代謝されて生じるDIMを摂っていただくのが手っ取り早いことになります。そして、食事によってもアブラナ科植物を精力的に摂っていただければと思います。

 その下段には、カロテノイド、ポリアミン、多糖類、その他、という分類にて、抗がん作用を示す各種のファイトケミカルを記入しています。概して言うならば、緑黄色野菜以外にも、納豆などの発酵食品、キノコや海藻、玄米を欠かすことなく食べることが大切であり、更にはショウガやヘンプの成分なども利用してみることが有効だということになります。

 ところで、ファイトケミカルというだけあって、全てが植物であることが当たり前なのですが、お陰で植物は、めったにがんに罹りません。何故なのかと言えば、自分で抗がん物質(ファイトケミカル)を作って持っているからです。そして動物は、その植物を食べることによって抗がん成分を得る仕組みになっているのですが、その仕組みを知らないまま、ファイトケミカルが欠如した食事を続けるからこそ、がんが発生するわけです。
 この表のPDF版を印刷して台所などに掲示し、抗がん食を作る際のヒントにでもしていただければ幸いです。

 
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