発酵七草粥で心と身体を整える

一月七日は、年末年始で疲れた胃腸を休めるために、七草粥をいただく日として知られています。この日に、邪気を払い無病息災を願い、七つの若菜を入れた粥を食べて一年の無事を願ったと伝えられています。

寒い雪の下で、春を待ちながら芽吹く若菜には、冬を越えた命の力が宿ると、昔の人は考えていました。強くもあり、身体に優しくもある七草粥は、外へ向いていた意識を、そっと内へ戻すための食べもの。

ついつい、あれもこれもと、食べ物にしても「足すこと」ばかりを考えてしまいますが、多くを足すのではなく、見た目にも身体にも優しいお粥をいただくことは、食べ過ぎた年末年始をリセットし、まるでスケジュール帳の余白のような、静かな食事の時間になることでしょう。

現代人は365日ずっと同じリズムで走り続けがちです。だからこそ、このような節目は、心の深呼吸になりますね。人の脳は「区切り」「節目」「意味づけ」があると安心するそうです。

また、この一月七日は「人の日」とも呼ばれ、人を責めず、裁かず、ただ“人であること”を大切にする日でもあります。

ただただ、人間を大切にする日。

古代中国では、この「人の日」には処刑が行われず、七種類の若菜を入れた「羹(あつもの・スープ)」を食べるという風習がありました。優しいお粥を食べることで、整える。味わうことで、思い出す。許せなかったあの人も、ただの人。

ぜひ明日は、五感を感じながら、呼吸の深さ、内臓の温度、今ここに在る感覚、人に優しい時間にしてみてください。

七草粥に入れるのは、春の七草である「せり・なずな・ごきょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」です。

今回は、それに日本の【国菌】である「麹菌」をプラスした、発酵七草粥をご紹介したいと思います。麹菌は、日本のほとんどの調味料の原材料ですが、今や「効率化」や「コスト削減」を理由に、しっかり醸造された調味料は少なくなってしまいました。

麹菌のすごいところはたくさんありますが、その中でも私が素晴らしいと感じるのは、「消化を助ける」のではなく、「消化を代行してくれる」ところ。

麹菌は

✔ でんぷん → ブドウ糖

✔ たんぱく質 → アミノ酸

✔ 脂質 → 脂肪酸

へと、あらかじめ分解してくれます。つまり、胃腸に負担をかけずに栄養が入る。年末年始で疲れた脾胃にとって、これ以上ない優しさです。

お肉は消化に良くないと言われますが、麹を使うと、とても美味しく柔らかくなり、消化も助けてくれます。

その「麹菌」の素晴らしさ、日本人の優しさや強さを作ってきた、日本の食の原点を七草粥に。

特別なお金もかからず、難しくもありません。私の家では刻んだ「七草」と「塩麹」を加えてひと煮たちさせた後、「梅干し」を加えれば、発酵七草粥の出来上がりです。

少しこだわりのある「塩麹」を使って味比べするのも、菌活の楽しみのひとつですね。

 
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