世の中には、最も理に適った方法があるにも拘らず、その方法が行われなかったり、行えないようになっていることが沢山あります。今日のお話も、その一つに挙げることが出来ます。何故そのような世の中になっているのかと言えば、それはもちろん金儲けのためであったり、既得権の行使のためであったりします。
がん(癌)に関係する話であれば、製薬メーカーや医療機器メーカーが、前記の目的を達成するために年月をかけて、少しでも多く己の利益が上がるように、国をも動かしてルールを作り上げてきた結果となっています。例えば、いわゆる〝がん標準療法〟は、「自分の身内には絶対に勧めない」と言っている医師であっても、病院内ではそれを患者に進めることが鉄則になっています。そうすることで、医師は無難な人生を歩むことが出来るように、色々な面から圧力が掛けられているわけです。
そのようなわけですので、この後に書いていきます内容につきましては、一般的な医療機関では絶対に勧めない方法ですので、日頃から付き合いのある医師に相談してみる、などの行為はしないようにお願いしたいと思います。「何を言ってるんですか、そんなことでは治りませんよ。放射線を当てて死滅させ、念のために抗がん剤も投与します。現代の医療を素直に信じなければダメですよ」と言われて終わりになりますから…。
さて、先にupしました『がんを治すも防ぐも基本は温めることである』におきましては、39~41℃という、少し熱を持ったと言える程度の温度によって、免疫の面でも、循環の面でも、がん組織内の環境(腫瘍微小環境)が、まるで正反対に好転してしまう、ということを述べました。今回の記事は、その目的を最も的確に実現するための方法になります。
因みに、巷に在る情報に「がんの温度を42℃以上に高めて死滅させる」というものがあって、それを実現するための超高額な機器が存在していたリ、がん組織内に発熱のための超微粒子を送り込む方法などの研究が流行ってきていますが、それらは前述した目的を持つ企業および研究者が夢中になっているだけです。それはまた、何が何でもがん細胞を死滅させようとする表れでもありますので、その最終的な結果としては、中途半端な人類の英知が細胞に負ける、ということになるわけです。
体の比較的浅い部分に生じているがん組織であれば、近赤外線(ご参考:『昔は竈から放射される近赤外線も乳がん予防に役立っていた』)であっても、充分に効力を発揮させることが可能になります。しかし、それ以外の多くのがん組織は体の奥まったところに生じていますので、より直接的に加温することが出来れば効果が高まることになります。なお、遠赤外線を浴びることも、時間を掛ければ体の芯まで温めることが出来ますが、それよりももっと的確な方法は無いのか…、という問いに対する答えに迫ることになります。
掲載しました図(高画質PDFはこちら)の左上の方にグラフのような図を載せましたが、これは各種の電磁波の波長と、その電磁波が水中を進む時の減衰程度が示されたものです。縦軸が「減衰」、横軸が「周波数」になっています。減衰程度が高い場合は、水分子による吸収が大きいことを意味しています。また、吸収されるとそのエネルギーが熱に変わりますから、水が加熱されることになります。
その電磁波が赤外線である場合、減衰程度が非常に高く、即ち大きく吸収されて熱に変わり、深部まで届かないことを意味しています。ヒトの体に赤外線を当てた場合、水分を含んだ皮膚によって大きく吸収されて皮膚が加熱されることになりますが、その分、奥まったところまで届かないことになります。
次に、赤外線よりも周波数が低い(波長が長い)マイクロ波の場合、減衰の程度が少し弱まるのですが、それは即ち吸収され難いことと同義ですので、その分だけ奥まったところにまで届くことになります。マイクロ波の一例として電子レンジを挙げることが出来ますが、例えば肉の塊を電子レンジに掛けると、表面から数センチぐらいまでは加熱できることになります。
また、医療機器として使われているマイクロ波治療器では、電子レンジで肉を加熱するのと同様の周波数が使われていますので、肩関節の内部を加温するぐらいは簡単に出来てしまうことになります。しかし、これで膵臓を加熱したり、胃や大腸を加熱したりというのは難しくなってくるわけです。
そこで、もっと周波数が低い(波長が長い)ラジオ波を使ったらどうなのか…、ということになります。ラジオ波というのは、FMラジオやAMラジオなどが用いている周波数帯になりますので、その名が付けられています。ラジオ波の水による減衰程度は更に弱くなりますので、その分だけ奥まったところにまで届くようになります。それは即ち、局部的な高温加熱には向きませんが、全体を穏やかに加温することが可能になるということです。もちろん、出力を上げれば加熱力も高まるるわけですが、人体に用いる機器では適度な加温になるように出力レベルが設定されています。
一般家庭用として設計・販売されているラジオ波温熱治療器は、体の内部を39~41℃という程度に加温するためには絶好の機器であると言えます。あまりの詳細は宣伝になってしまいますので割愛させていただきますが、検索していただけば出てくると思います。また、冒頭に申しました注意事項ですが、この機器の使用目的は法的に縛られたものになっていますので、この文脈にて目的としたことについては「禁忌」として書かれています。「こんなもので治してもらっては、数千万円で作った機械が台無しになる。そのような目的で使うことは何としても止めさせていただきたい」という要望の結果としての説明書になっていますので、その点はご了解いただければと思います。
温熱療法を総合して、ごく簡単にまとめておくならば、周波数(波長)と到達深度の関係が、加温方法の最も基本的な判断基準になります。次に、周波数によって加温以外の生理的効果を示すものがありますので、それを加味することです。例えば、赤色光の効果、近赤外線の効果、遠赤外線の効果は、それぞれ該当する記事にて述べましたように、単なる加温効果だけではありません。従いまして、掲載した図の右端に写真を載せましたような〝ストーブ〟や〝日向ぼっこ〟は、電波による温熱治療では得られない複数の生理的効果が得られますので、それらについても大切になさってください。
なお、追記になりますが、運動することは骨格筋による発熱量を増やすことになりますし、寒くない時の寒冷刺激や特定のファイトケミカルはミトコンドリアのUCP-1による発熱量を増やすことが出来ますので、これらは自分の体を使った温熱療法になります。併せて、数々のファイトケミカルを以前に紹介していますが、それらを併用することによって、より速やかに目的を達成することが出来ますので、その詳細につきましては該当する記事をご覧ください。