麻から採れるCBDは優れた抗がん作用を示す

CBDは、健康度を高めながら、濃度依存的に腫瘍の成長を抑制する。

 これは特に、がん(癌)の存在が発覚した人にお勧めしたい天然物質です。「CBD」は「カンナビジオール」の略で、麻という植物の茎に多く含まれている成分です。
 人の名前に「麻」の文字が多く使われていることから分かりますように、戦前までは各地で広く栽培されていて、特に繊維を採るための植物として重宝されてきました。現代においても麻の布で作った服を愛用している人もいらっしゃることでしょうし、農業では微生物によって分解されて土に還る紐として重宝されています。或いは、神道では欠かすことのできない材料として確固たる地位が保たれています。その麻の植物体に比較的高含有率にて含まれている成分がCBDです。

 麻は、生物学的には「アサ」と表記される植物で、学名は「Cannabis sativa」です。栽培されてきた歴史が非常に長いため、非常に多くの品種が作り出されています。その品種の中には、THC(テトラヒドロカンナビノール)を多く作り出すものもあって、それは日本では法的に規制されているものになります。一方、THCを産生しない品種は「ヘンプ」と呼ばれています。単に「麻」と呼べばよいのですが、「麻」の別名が「大麻草」なので、THCを産生する品種と区別したいが為に、繊維を採るための「麻」を、敢えて「ヘンプ」と呼ぶ習慣へと変わってきています。そして、もう一方の「大麻草」は、もっぱらTHCを含むものだというイメージを与えるものになってしまいました。

 CBDは生体に対して、本当に多くの効能を有しています。掲載した図(高画質PDFはこちら)の中央左寄りに「CBDの効果」として一覧化されたものを示しておきましたが、この記事では抗がん作用のみに絞ることにします。そして、図の右上には抗がん作用に関する研究データの一つを示しておきました。
 これは、実験用マウスに大腸がん組織を移植し、CBDを、0、10、15mg/kg(体重)の3種類の投与量にて与え、一定期間が経過した後に6匹のマウスからがん組織を取り出し、写真撮影、がん組織の大きさや重量、体重の計測が行われた結果です。見て明らかなように、CBDを与えると濃度依存的にがん組織の成長が抑制されたことが判ります。併せて重要なことは、CBDはがんによる体重減少をも防いでいることです。ヒトの場合、がん組織の成長と共に体重が減少していくことが一般的ですが、CBDはそれを防ぐということです。これは、一般的な抗がん剤では実現できないことでしょう。

 抗がん作用の機序についても多くの研究結果がありますが、その一つを図の下段に示しておきました。特徴的なことは、細胞に備わっている〝カンナビノイド受容体〟であるCB1やCB2、その他の受容体にCBDが作用することによって、がん細胞の細胞周期を停止させ、アポトーシスを誘導したり、免疫系細胞に働いて炎症を抑えたりすることが描かれています。

 その他、カンナビノイド受容体は全身の重要箇所に多く備わっていて、脳内の神経細胞にも備わっていますので、それによって疼痛を抑制することができたり、食欲減退を抑えることもできますので、がんが進行した場合には特に貴重な物質であると言えます。
 因みに、カンナビノイド受容体は、内因性のカンナビノイド、即ちアナンダミドや2-AGという体内物質を結合させて身体の調節を行うためのもので、そのような機能は“エンド・カンナビノイド・システム”と呼ばれています。そして、麻に含まれる成分が偶然にもカンナビノイド受容体に緩く影響を与えることによって、上述のような生理的作用が生じる、ということになります。
 過度の精神的ストレス、老化の進行、アルツハイマー型認知症などの場合にエンド・カンナビノイド・システムの働きが弱まることが確認されていますので、そのようなものの改善のためにもCBDの投与が有効であることが判っています。

 昔、多くの人が麻の栽培を行っていましたので、その人たちは麻を収穫したり加工したりするときに自然な形でCBDを皮膚から取り込んでいたと考えられます。まさしく、神から授かった恵みを、自然な形で享受できていたということになります。

 
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