静電場を細かく変化させて体内の水分子を揺らせる

静電場を細かく変化させて体内の水分子を揺らせる

 今回は、リクエストを頂いた件に関するもので、分野は〝健康〟と〝電場〟になります。なお、文字に「電」が付いたり「場」が付いたりすると、もうそれだけで拒否反応を示す人もいらっしゃることでしょうから、極めて基本的なところからお話を始めようと思います。

 子どもの頃、「下敷き」というものが必需品として使われていた時代には、頭の上部に下敷きを持っていき、髪の毛と擦り合わせてから下敷きを持ち上げると、髪の毛がくっ付いてくる現象を楽しまれたことでしょう。これは静電気によるものですが、下敷きと髪の毛の間に存在しているものが〝電場〟です。因みに、工業分野では〝電場〟のことを〝電界〟と表現するのですが、両者は同じものです。ここでは、物理学で常用する〝電場〟を用いることにします。

 その他、めったに体験できないのですが、掲載した図(高画質PDFはこちら)の左端に示しましたように、落雷が起こる前などに髪の毛が空に向けて持ち上げられる現象が起こります。これも空間に〝電場〟が生じているからこその現象です。
 下敷きの場合との違いは、下敷きは髪の毛と接触しているか、距離があったとしても数センチメートルほどでしょう。一方の落雷の前は、遥か上空と髪の毛の間の距離において髪の毛が持ち上げられる現象が生じていますから、かなり強い電場が生じていることになります。

 電場を他の表現にて言い表すとしたら、その空間に電圧が掛かっている、ということになります。下敷きで擦った後に髪の毛が持ち上げられてから離れるとき、小さな音でパチパチという音が聞こえる場合があります。もっとよく聞こえるシーンとしては、何らかの服を脱ぐときに静電気でパチパチと音がする場合があるでしょう。このパチパチは、高い電圧が掛かっているため空中放電している音です。
 雷の場合は、上空と地上の間を放電しますから非常に大きな音がするわけですが、その場合の電圧の大きさは桁違いに大きなものとなります。因みに、空気中に置いた2つの電極の距離を1メートルにし、その間を放電させるためには300万ボルト以上の電圧を掛ける必要があるとされています。雷の場合、上空と地上の距離は非常に長いわけですが、電場の強さを表すために、単位メートル当たりに掛かる電圧として表示しますので、落雷が起こる場合の電場の強さは300万V/m(ボルト毎メートル)以上だということになります。

 次にいきます。髪の毛は〝正(せい)〟に帯電しやすいのですが、この〝正〟というのは〝+(プラス記号)〟で表示されます。「プラスに帯電」と言ってしまう人が多いと思われますが、物理学では「正(せい)に帯電」と言いますので、一般人なのか物理学を学んだ人なのかがすぐにバレます。できるだけ「正に帯電」と言ってみてください。それだけで信頼性がアップします。因みに、その逆は〝負(ふ)〟です。
 では、水分子はどうでしょうか…?これは、全体がどちらかに帯電しているのではなくて、分子そのものに電荷の偏りがあるのです。掲載した図の中に水分子のモデルがありますが、酸素原子と水素原子の結合が作り出す角度は104.5°で、水素原子が持っている電子が酸素原子側に引き寄せられていますので、水素原子側が正に帯電、酸素原子側が負に帯電しています。そのため、負に帯電したストローを近付けると、水素原子側がストローの方を向くようになります。更に、水分子全体がストローの方に引き寄せられるようになります。その結果、蛇口から垂らした水に帯電したストローを近づけると、水の進路がストローの在る方に曲げられます。

 次ですが、正と負の位置関係が変化しないことによって、それによって生じる電場の方向が変化しない場合、その電場は〝静電場〟と呼ばれます。一方、交流電流を扱っている装置や電線の周囲の電場は刻々と変化しますから、こちらは〝動電場〟と呼ばれます。そして、今回のお話は、どちらかと言えば静電場のお話になります。
 なお、動電場中を電子が流れる場合、即ち交流電流が流れる場合、電線の周囲に生じる磁場も変化することになります。そして、変化した電場と磁場が空中を伝わって進行していき、その波を電磁波と呼びます。しかし今回のお話は、静電場が変化するというお話ですので、電流が流れたときに生じる電磁波とは全く異なります。多くの方にとっては、もうこのあたりで意味が分からなくなった…となるかも知れませんが、基本、静電気の延長線上の話だと解釈してください。

 図の中央に、蛇口から流れ落ちる水に、帯電したストローを近付けている写真と、ストローを除けた写真を左右に並べましたが、前者を「ON」、後者を「OFF」だと解釈してください。そして、ONとOFFを小刻みに切り替えたとします。すると、水の動きはどうなるでしょうか…? 揺ら揺らと揺れ動くことになることを想像することができます。実は、これなのです。このような水の動きを体内の水でもやってみるのです。
 実際に、これを実現させた装置が開発されていて、大いに活用されています。図の右下に、それを紹介した動画のワンシーンを載せましたが、変化する静電場の近くに身を置くと、全身がプルプルと揺れている感覚を得ることが出来ます。体内には、水分子だけでなく、電荷をもったイオンなども存在していますから、それらが共に揺れ動くことになりますので、その分だけしっかりと揺れることになります。

 その装置の名前は「DENBA」ですので、コマーシャル的な紹介についてはWeb検索してみてください。なお、私がここに書いているような説明の仕方はされていませんので、この記事が理解の助けになればと思います。
 電場を発生するマットとの距離は、マットに密着する体の部位では短距離になりますが、数十センチ離れたところまで効果を与えようとする場合、それなりの強さの電場が必要になります。メーカー側の資料では、スタンダードタイプが1,800V/m、ハイグレードタイプが2,200~3,400V/mとなっているようです。なお、電場の強さの単位は上述の通りです。
 基本は静電場なのですが、これがある一定の周期で変動するからこそ、プルプルと揺れる感覚を味わうことになります。その周期が細かすぎれば、揺れる感覚は生じませんので、数十Hz当たりだと思われます(特許上では40~60Hzとの記載が確認できます)。
 右上の図が、公開特許に記されている図です。オレンジ色で囲んだ部分が〝静電気放出手段〟であり、いわゆるマットの部分になります。もちろん、変化する電場を作り出すだけですので、マットから電流が流れだすものではありませんし、電磁波を発するものでもありません。
 体内の水分や荷電粒子を揺れ動かすことによって得られる効果につきましては、DENBAのWebサイトをご確認ください。装置の価格が非常に高いのですが、それ相応に優れた各種の効果が実証されています。私としても、これはお勧めの装置の一つになります。

 
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