ケルセチン(quercetin;クェルセチン)の摂取源として、これまでにブログ記事中に登場させたのは、サプリメントとして単品化されている「ケルセチン」、食品の類では「タマネギの皮」「チャ葉」「ドクダミ」「ネトル(セイヨウイラクサ)」が主なものですが、今回の記事にて「松葉」を追加することになります。
なお、上記のうち、ネトルはケルセチン以外の種々のフラボノイド(EGCG、カテキン、アピゲニン、ルテオリン、ゲニステイン、ナリンゲニンなど)を一緒に含んでいることが大きな特徴、およびメリットになります。
一方、ケルセチンのみを一度に多量(500mg/日程度)に摂ろうと思うのなら、サプリメントとして販売されているケルセチンを購入して摂取するのが最も手軽です。ただ、出費もそれなりに大きくなります。
そこまで高用量を求めないのであれば、次に高用量が期待できるのがタマネギの皮であり、その乾燥粉末を利用するのが最適だということになります。タマネギの皮パウダーは市販品を買うこともできますが、個人で作ろうと思うと沢山のタマネギを手に入れなければならいところがネックになるでしょう。タマネギ農家さんで皮だけもらってくる方法もありますが…。
どこのお家にもあり、誰もが日常的に摂取しているものの中で、ケルセチン含有率の高いものがチャ葉です。普通の入れ方をして緑茶として飲むことも方法の一つですが、より高用量にしたいのならば、粉末にして(粉茶にして)その全部を飲むことです。ただ、自宅でチャの木を栽培していない限り、茶葉を購入することになるため、それなりの出費になります。
そこで、殆どの人が見向きもしないか、捨ててしまうもののなかで、ケルセチンの含有率が高いものを探してみると、それに該当するのがドクダミと松葉だということになります。即ち、基本的には出費ゼロでケルセチンが得られることになるわけです。
掲載した図(高画質PDFはこちら)の中央下段に、新たに「ケルセチン含有量」の表を作成して掲載しました。個々のデータの入手元は様々で、文献中のデータから算出したものもあります。では、ケルセチンの含有率の高いものから順に見ていくことにしましょう。
断トツの1位はタマネギの皮で、100g中には1200~1500mgも含まれています。ただ、タマネギの皮は薄くて軽いですから、10g集めるだけでも大変でしょう。
第2位はチャ葉ですが、100g中に80~560mgと、幅が広いです。これは、品種や栽培条件によってケルセチン含有率が大きく変わってくることに起因しています。
第3位が、今回採り上げることになる松葉で、100g中に50mgとなっています。
そして、第4位がタマネギの可食部で、100g中に10~50mg。第5位がドクダミの乾燥粉末で、100g中に26mgとなっています。
ケルセチンの効能効果につきましては、先にupしている記事中にも書いているのですが、ここにも再掲しておきます。抗がん(がん細胞の細胞周期停止、がん細胞内のオートファジー誘導、アポトーシスの誘導、転移の抑制、血管新生の阻害、NK細胞の賦活)、抗循環器疾患(血管の保護、毛細血管や血管内皮の強化、血圧の正常化、動脈硬化の予防、心筋梗塞の予防、血管弛緩、腎機能の改善)、抗老化(老化細胞除去、AMPの活性化、NAD合成酵素の賦活、抗酸化、肌の保湿、弾力性向上、認知機能の維持)、その他(脂肪分解促進、抗肥満、抗炎症、抗ウイルス、肝障害の改善、水晶体の硬化防止、亜鉛トランスポーターの賦活など)、ということになります。
また、先にupしたブログ記事で、ケルセチンを得ること以外の目的も含め、身近にあるものを乾燥粉末にして利用したいと思われるものに、セイヨウタンポポの根、タマネギの皮、チャ葉、ヨモギ、ドクダミ、フキノトウ、スギナを挙げましたが、これに松葉を加えることになります。ネトル(セイヨウイラクサ)も、里山付近を探して同定できるのなら、それも加えるのがベストです。
松(マツ、属名:Pinus)は、ご自宅の庭にあるという人も多いことでしょうし、近所の家の松を剪定してあげて、それを貰って帰ることもできるでしょう。或いは、生えたり茂ったりしては困るような場所に自生している松も結構多いですから、それを少し頂いてくることも可能でしょう。剪定する枝の量に較べれば、食用や飲用にする量は非常に少ないものです。
松葉を摂取することのメリットは、ケルセチン以外にも、松葉にしか無いような成分が得られることです。最も代表的だと言える成分は、モノテルペンに該当する〝α-ピネン〟です。〝ピネン〟という名称は、マツの学名(属名)がPinusであることから付けられたものです。そして、松葉に独特の香りを付与しているのがα-ピネンを含めた精油です。この香りが強すぎると、食べたり飲んだりし難い可能性がありますから、その解決方法としては、乾燥粉末にすることです。精油は揮発性成分でもありますから、乾燥粉末化に伴って揮散していくからです。
α-ピネンは鼻から吸い込むのが一般的な投与方法になりますが、乾燥粉末にして飲んだり食べたりするときに、それに残っている微量のα-ピネンが呼吸器系にも消化管内にも入って、リラクゼーション、ストレス軽減、記憶力などの脳力の向上、血行促進などの効果を発揮してくれることになります。
なお、松葉に含まれる成分としてネット上(Web上)には、海外の松にしか含まれない成分や、アカマツやクロマツ以外の特殊な松にしか含まれない成分(例:ピクノジェノール、スラミンなど)が謳われていたり、どのような植物にも含まれている成分(クロロフィル、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、シキミ酸など)が松葉のメリットであるような記載が多く見られます。後者につきましても、敢えて松葉を摂取する理由にはなりませんので、私の場合は記載を割愛させていただきます。また、白髪を黒髪に変える方法につきましてはルテオリンやステルビン(ヤーバサンタに多く含まれる)を既に紹介しておりますのでご覧ください。
以上のように、まさしく万能とも言える健康効果を発揮するケルセチンが、普通なら捨ててしまっている松葉にも含まれていますので、捨てることなく有効利用していただければと思うところです。