動物の知能ランキング

動物の知能ランキング

 「賢い」というのは一体どのような意味なのかをGoogleのAIに聞いてみますと、2025年7月現在の回答では、「一般的に、知能が高く、物事の理解力や判断力に優れていること、また、要領が良く、物事をうまく処理できることを指します。単に知識が豊富なだけでなく、状況を的確に判断し、適切に行動できる能力を意味します。」というものでした。AIも日々学習しているでしょうから、今後におきましては、更に的確な回答が返ってくるかも知れません。
 上記の回答で気になると言えば、やはり「知能が高く…」の部分だと思われます。どのような能力を持って「知能」とするのかは、今後におきましても、言い切ることは難しいように思われます。人間に適用される一般的な知能検査では、できるだけ広範囲なジャンルから課題が出され、その解答の速さや正確さが評価されています。

 では、課題の一つとして、次のような検査項目を入れてみたらどうなるでしょうか…。目隠しをし、クルマに乗せて2~3kmほど走り、その人が知らない場所に連れてきたとき、元の場所に帰れるまでの時間を点数化する、というものです。これは帰巣本能と呼ばれる能力を調べることになるわけですが、伝書鳩ならば高い点数を取れそうです。しかし、人間の場合は非常に低い点数になることでしょう。
 或いは、ある人が着ていたシャツを手渡し、そのシャツを着ていた人物を探り当てるという課題を出した場合、高い正答率になりそうなのは犬でしょう。しかし、人間の場合は非常に低い正答率になるはずです。
 例を挙げれば切りがありませんから、この程度にしておきますが、人間のありきたりな評価尺度で知能検査を行った場合、人間の知能を点数化できるかもしれませんが、他の動物の知能を点数化することは非常に難しいと言わざるをえません。他の動物からは「それは、あなた達のモノサシでしょ!?」と言われるのがオチです。従いまして、他の動物からは「人間ってなんて愚かな動物なのだ」という評価が下っているかも知れません。

 そのようなことを踏まえた上で、人間が他の動物の「賢さ」または「知能」を評価する研究結果が沢山あります。確かに、そのような研究はやってて面白いと思われます(^o^) せっかくですので、そのような研究成果を、ごく簡単にまとめてみたいと思います。
 掲載した図(高画質PDFはこちら)の右端に、「動物の知能ランキング」というものをまとめてみました。研究者によって少しずつ意見の違うところもありますが、私が思うところのバイアスも加味して、最終結論としてランキングしてみました。

 では、発表します。第1位は〝カラス(烏)〟です。カラスの賢さ、知能の高さにつきましては、動物学の研究者だけでなく、非常に多くの人が実感しているところです。
 例えば、掲載した図の上段に幾つかの写真を引用させていただきましたが、そのうちの最も左の写真は、カラスが自分で曲げた針金を道具にして、パイプの中に入っている小さなエサ入りバケツをひっかけて持ち上げている様子です。これが凄いのは、単に〝道具を使う〟だけでなく、針金を曲げて〝道具を作る〟ことです。人間の子どもでも、誰かが手本を示さない限り、最初から自分で思いつくことは難しいのではないかと思われます。
 その右の写真は、細いパイプの中に途中まで水が入っていて、その水面にエサが浮かんでいます。パイプがカラスの頭よりも細いため、くちばしの先がエサにまで届きません。そこでカラスはどうするかと言いますと、側に置いてある石を銜(くわ)えてパイプ中に放り込み、それによって水嵩(みずかさ、水面)を上げます。くちばしがエサに届くまで石を追加で放り込み、届いた段階でエサを取って食べます。この技は、ハッキリ言って凄いです。これも、人間の子どもの場合、誰かが手本を示さない限り、最初から自分で思いつくことは難しいのではないかと思われます。
 その右側の写真は、直径の異なる容器を、大きなものから順に重ねていく様子です。これは、人間でしたら幼児の段階で可能なことだと思われますが、その動作がかなり速いので、人間の子どもはカラスに負けそうな気がします。
 その右側(図の右端)の写真は、「おはよう」などの日本語を話している様子です。この程度の人間の言語を話すことは人間の幼児でも可能ですが、では、人間がカラスの言語を話せるかといえば、それは達人でない限り無理でしょう。従いまして、カラスは、バイリンガルだということです。いや、他の鳥や哺乳類の鳴き声も理解することが出来るでしょうから、もっと上だということになります。

 カラスの驚くべき能力は他にも沢山あるのですが、そのようなことも踏まえて知能を推定すると、人間の5~8歳児に相当するというのが、動物学研究者のおおよその見解です。
 8歳というと、人間では小学校2年生に相当しますので、カラスを見たら、賢い個体は小学2年生並みのレベルだということです。また、並みのカラスであっても小学校1年生ぐらいのレベルだと言えるでしょう。要するに、カラスの集団がいれば、小学校1~2年生の集団がいると思っていただければ結構です。
 脳の構造は、空を飛ぶ鳥であるため、あまり大きく重くは出来ません。その代わり、ニューロン(神経細胞)の密度は、ニワトリ(鶏)の 約6倍であるとされています。即ち、無駄を省いた超高性能な脳であると言えるわけです。脳は大きければ良いというものではなく、密度が肝心だということになります。

 因みに、他の動物のランキングは掲載した図のとおりなのですが、想像以上に賢いものの一つがブタ(豚)であり、イヌ(犬)よりも賢いと言われています。
 二つ目はタコ(蛸)であり、ウマ(馬)よりも賢いと言われています。タコが賢いのは、捕り難い場所に在るエサを、色々と工夫することによって捕るという、問題解決力が優れているためです。
 また、爬虫類であるトカゲ(やヘビ)、昆虫であるミツバチなども、想像以上に賢いと考えて結構でしょう。

 以上、これらは人間のモノサシで見た賢さ(知能)を基準にしていることが特徴です。しかし、他の動物から(大人の)人間を見れば、自分たちが住む地球を破壊し続けるという、物事の理解力や判断力に劣り、物事がうまく処理できず、状況を的確に判断できず、適切に行動できない大バカ者の動物が、(大人の)人間だということになるでしょう。おそらく、知能ランキングは最下位だと思われます。

 
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執筆者
清水隆文

( stnv基礎医学研究室,当サイトの keymaster )
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