先日、大学生の娘のお友達が家に遊びにきました。それはもう、楽しそうに歌ったり、笑ったり…楽しそうで、その声を聞いているだけでこちらまで楽しい気分に。
その時ふと、「あんなふうに、お腹がよじれるほど笑ったのって、いつだろう?
笑うと免疫力が上がる――
これはもう、よく知られていること。でも、ふと振り返ると年齢を重ねるほど笑う回数って確実に減っていると思いませんか?子どもは1日平均400回笑うのに対して、大人はたったの15〜20回と言われています。しかも在宅ワークだと「今日一度も笑ってないかも…」そんな日も、普通にある。
医療現場でも「笑い」は治療になるということがわかっています。実際に、こんな実験がありました。ある国立病院でリウマチ患者さんに1時間ほど落語を聞いてもらう実験。その結果、たくさん笑った後は神経系・内分泌系・免疫系に関わる数値が基準値内、もしくはそれに近づいたそうです。つまり、「笑う」だけで体のバランスが整っていく。これ、すごいことですよね。
昔は、「箸が転がるだけで笑う」そんな言葉があるくらい理由なんてなくても笑っていたはず。学生の頃、笑っちゃいけない場面ほどなぜか笑いが止まらなくなってお腹が痛くなるほど笑っていた。そうやって自然に深い呼吸をしていたんですよね。
・・なのになぜ、笑いは減ったのか?
その理由として、私たち現代人は「情報量の多さで脳疲労を起こしているから」ではないか、と感じています。現代人が1日に触れる情報量は、平安時代の一生分に匹敵するといわれています。
もしそれが本当でそれほどの情報量にさらされ続けているとしたら、心に余白がなくなり、感情が麻痺をし、無気力にもなる。笑う余裕すらないのかもしれません。
そして、身体を動かさなくなったことやストレスにより「呼吸が浅くなったから」とも考えられます。昔は、生きるため、食べるために身体を動かしていた。でも今は、動かなくても生きられる時代。便利で快適になるほどに深く呼吸することが減り、さらに人間関係等によるストレスによって「生きている実感」から離れ、笑うことが減った、ということも考えられるでしょう。
そして、今「ここ」に生きている実感よりも、「今日しなければならないこと」を先に頭で考え、時間軸で「生活している」から。そうすると人生そのものに対しても時間軸で考え、残された時間ばかりに意識が向く。
そうすると老いるのもこわくなるし、自分への可能性も失われていく。そうやって心から笑うことが減っていくのかもしれません。そしてそんな大人を見て育った子どもは、病んだり大人になることに希望さえ持てなくなるのも当然かもしれません。
なんのために生きているのか、人間とは何か。「何かをしていないと自分は存在価値がないのではないか」と「ここにいていいのか」そんな風に悩んでしまうのは、むしろ感受性が豊かで繊細な人ほど多いのかもしれません。
でも、人間は本来とてもシンプルだと思うんです。人間の本来の姿は「食べて、動く」。そこから大きく外れてしまうと心も身体も、どこかズレていくのではないでしょうか。
今もそうかもしれませんが、つい最近までは、無理することや歯を食いしばって努力することが美徳、休むことに罪悪感すら感じていた時代でした。確かに頑張ることは素晴らしいけれど、その結果、身体を壊していたら本末転倒ですよね。そして、親自身がそういう生き方をしていると、子どもにも同じように期待し、それが正しい生き方だと教えてしまいかねません。
今、無理をして体調を崩している方は、無理をすることをやめること。まずは十分休んでください。十分休んで「動きたいな」という衝動が出てきたら、自分が本当にやりたかったことをやってみる。朝日を浴びて細胞が喜ぶことをする。それが後に「自分を愛すること」につながっていくのだと思います。そして笑顔も出てくるでしょう。
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赤ちゃんを見ていると、命そのものの呼吸をしています。全身で泣いて全身で呼吸していますよね。あれは意識ではなく細胞そのものが“生命力”に満ちているから。でも大人になると呼吸は浅くなり感情も抑えがちになる。そして身体を動かさないことでさらに呼吸は浅くなっていく。
呼吸が変わると、細胞が変わる。深く呼吸をするだけで体内にしっかり酸素が取り込まれ約37兆個の細胞が活性化します。
笑って深く呼吸する。いちばん簡単でいちばんパワフルな健康法かもしれません。
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また、女性は50歳過ぎると肌や骨の老化が急速に進み、エストロゲンの減少により、男性よりも2倍の速さで肌のハリ、しわ、たるみなどの三大老化肌に直面します。ここからは「意識と行動」がとても大事だと思っています。50歳を過ぎたら「意識して生きるかどうか」で細胞レベルで差がつく。食事も、栄養も、習慣も若い頃と同じままだと、転げ落ちるように老化していきます。老化していくのを自然に任せるままにしてはいけません。
私たちは下りのエスカレーターに乗っているようなもの。何もしなければ、そのまま下へ。でも少し踏ん張って逆走すると未来は大きく変わる。(※実際にはやらないでくださいね)
そして脳は「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しくなる」だといいます。だからこそ「お笑いを見る」「漫画を読む」「あえて笑う時間をつくる」これでいいんです。
「そんな気分にも今はなれなくて・・」という方には今日からできる、小さな習慣として
・朝、鏡の自分に微笑む
・口角だけでも上げる
・お風呂で「あいうえお体操」
・マスクの下でこっそり笑う
これだけでも、確実に細胞はキャッチしてくれます。笑うために何かをするなんて昔は考えたこともなかった。でも今は違う。「意識して笑う」「疲れたら休む」ことが未来の自分をつくる。だからこそ今日も、にこにこ。口角を少し上げて過ごしていきましょう。
