子宮頸がんの原因はHPVなどではない

子宮頸がんを防ぐための第一選択としてワクチンを挙げることが問題なのである。

 再び、子宮頸がんワクチンが推奨されるようになってしまっています。このワクチンの正式名称は〝ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン、HPV予防ワクチン)〟です。
 少し振り返りますと、2013年6月から接種の推奨(積極的勧奨)は中止されていたのですが、2021年11月から再開されることになりました。なお、中止された理由は甚大な副反応が出たからなのですが、その後の検討で何故か過去の事が水に流された感じになって、再開に至ったということです。
 昨今では、これまでに接種の機会を逃した高校2年生から27歳までの女性を対象にした、無料の「キャッチアップ接種」というものが2025年3月末まで実施されることになっています。そして、計3回の接種を行わせたいが為に、「今年9月末までに初回接種しなければ、その後は自己負担になりますよ~!」という作戦になっています。因みにその負担額は、3回分で最大10万円だそうです。まぁ、誰が負担するにしても、ワクチン製造会社の収益は凄い額になることでしょう。

 これを推奨する側に立っている医師からは、まるでサイエンス・フィクションのような脅し文句が発せられています。「もし、日本が子宮頸がんワクチンの積極的勧奨をしなければ、日本だけが世界の子宮頸がん大国になる」というものです。このあと紹介しますが、あまりの知能指数の低さに驚かされると共に、これまでにこのワクチンの犠牲になられた方々へのやるせない気持ちが沸き起こります。
 掲載した図(高画質PDFはこちら)の中央付近に、もう何年も前に公開された写真のうち3枚だけを引用させていただきました。彼女たちは車椅子生活というだけでなく、様々な部分に様々な障害を負ってしまっています。このワクチンを推奨した人たちは、どのように責任を取ってこられたんでしょうか…?

 脅し文句には次のようなものもあります。「厚生労働省によると、日本では年間約1万1000人、実に76人に1人が子宮頸がんを発症。そのうち約3000人が亡くなっている。」という記事を流すわけですが、HPVの話をしている続きに上記の文章を繋ぐと、「あぁ、HPVで約3000人が亡くなるのか…」と受け取ってしまいます。こういう論調の文章は詐欺師が使うような手口になります。そして、「何としてでもHPVをやっつけなければならない」となってくるわけです。本当に酷いとしか言いようがありません。

 では、ワクチン推奨派に回っている医師連中の知能指数の低さを検証してみましょう。重要ポイントは図の左側に文章化しておいたのですが、ここにも書いておきます。
 一般的に、8割の人が生涯に一度はHPVに感染すると言われています。そして、特定の一時期に、がんに罹っていない正常な女性を検査してみると、10代では30~40%の人にHPVが検出されます。同じく、20代では20~30%、30代では10~20%、40代では5~10%に検出されるほど、HPVはどこにでもいるウイルスなのです。ちなみに、HPVの種類も多いのですが、中でも16型や18型が、比較的高い発がん率を示すと言われています。
 ところが、16型や18型のHPVに感染しても、大部分は自覚症状が無いまま、1年以内に7割の人でHPVの消失が確認できます。更に、2年以内であれば、9割の人にHPVの消失が確認できます。要するに、感染はするけれども、健康体であれば2年以内には体内から消失してしまうことが普通なのです。そして、免疫力低下や組織修復力の低下などを含めた、いわゆる健康度の低かった1割の人が、HPVを排除できずに持ち越してしまうことになります。
 この場合は持続感染になるわけですが、やがて〝前がん病変〟と呼ばれる子宮頸部の粘膜組織の変化が見られるようになります。ただ、最も軽度のCIN1から次の段階のCIN2に進行した場合でも、その1年後には38%、2年後には63%が自然軽快することになります。即ち、2年以内にHPVを排除できなかった1割の人でも、更に2年が経てば63%が自然軽快するという事です。
 残りの37%のうち、更に年数が経てばCIN3まで進むことになります。しかし、がん化するまでには平均的には20年掛かるとされています。それまでの間に体調が良くなれば、前がん病変は解消されていき、正常な組織へと戻っていきます。しかし、体調不良が続くのならば、その10~20年のうちにがん化して〝子宮頸がん〟を発症することになります。これらを総合して計算すると、HPV感染からがん化に至る人は、HPV感染者のうちの0.15%にしかならないということになります。

 結局のところ、図の右上に書き込んだのですが、HPVに感染しても99.85%の人は子宮頸がんに罹らない、ということです。そして、残りの0.15%の人がHPVの犠牲になると捉えることも出来るのですが、この数値を見て、子宮頸がんの原因がHPV感染だと言えるのか?ということです。この0.15%の人は、確かに、普通ならば排除できるHPVを排除できなかったわけですが、排除できなかったことが即ち発がんではないわけです。CIN3という前がん病変になったとしても、そこから実際のがんになる人はごく一部だという事です。
 では、そのがん化の原因は何なのかと言えば、他の組織のがんと同様です。上述したメディアの文章「実に76人に1人が子宮頸がんを発症。そのうち約3000人が亡くなっている」というのは、HPVに感染することなく子宮頸がんに罹った人も含めた合計です。HPVの感染が有ろうが無かろうが、細胞ががん化してフルパワーを発揮しなければ生き続けられないと判断した場合にがん化するわけです。前がん病変であるCIN3という、細胞にとって非常に過酷な環境が長期間にわたって続いた場合、最終的に細胞ががん化を決意することになります。

 では、どうすれば子宮頸がんを防げるのか…? それは、HPVに感染しても発がんに至らなかった99.85%の人がやっている事を実行すればよいのです。子宮頸がんワクチンは普及していませんから、99.85%の人の殆どは自力で発がんを防いだわけです。その方法こそが、確実な予防法だということになります。
 ワクチンを打って体調を崩している場合ではありません。余計な異物は、組織中に入れないことです。それよりも、子どもたちや若い世代の子にありがちな各種栄養素の不足を無くすことや、加工食品に多い添加物やトランス脂肪酸のような有害な副産物を摂り込まないことです。そうやって、小学生頃から健康体を作っておくことが、子宮頸がんを防ぐ最良の方法になるわけです。

 
執筆者
清水隆文

( stnv基礎医学研究室,当サイトの keymaster )
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