緑内障の改善や予防に役立つ天然物質

緑内障の改善や予防に役立つ天然物質

 緑内障の罹患率は、今後もどんどん増え続けていきそうです。掲載した図(高画質PDFはこちら)の左下に、NIH(アメリカ国立衛生研究所)が2016年に公表した将来推計のグラフを挙げましたが、2030年、2050年と進むにつれて、どの民族においても罹患率が大きく上昇していくことが予想されています。
 では日本の場合、緑内障の有病率はどの程度なのかと言いますと、少々古いデータなのですが、2000~2001年に特定地域(岐阜県多治見市)の3,870人を対象に行われた調査の結果では、40歳代で2.2%、50歳代で2.9%、60歳代で6.3%、70歳代で10.5%、80歳以上で11.4%でした。
 そして、これは今(2024年)から24年前の状況だということですから、この間におよそ2倍に増えていると仮定した場合、例えば70歳代では21%、即ち、およそ5人に1人は緑内障に罹っていると考えられるわけです。70歳代が随分先のことだという年代の人、例えば40歳代の人であれば4.4%、即ち、およそ23人に1人が緑内障に罹っている計算になります。確率の問題かもしれませんが、失明に至る可能性がありますから、なんとしても避けたいところでしょう。

 最近は特に種々の検査機器が進歩しましたので、自覚症状が無い時期においても、検査をしてもらえば緑内障の進行度合いを知ることが出来ます。緑内障は一般的に何種類かに分類されるのですが、現代の日本人に最も多いのが〝原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)〟で、その中でも眼圧が正常範囲内である〝正常眼圧緑内障〟が大部分を占めていることです。
 これは何を意味するのかと言いますと、従来は世界的にも、緑内障の主原因は眼球の中の圧力である〝眼圧〟が高まることであるとされていました。掲載した図の上の方にも「眼圧の上昇」が特に大きな原因である様に描かれています。これは、世界的に見れば最も妥当な図となります。しかし現代の日本人に増えてきていて、大部分を占めている緑内障は、眼圧がそれほど高まっていないにも拘わらず、視神経が壊れていく、というものです。そこで、図の中央付近に〝視神経乳頭部分が脆弱〟であることを付け足しておきました。なお、視神経乳頭とは、網膜の各所から伸びて集まってきた神経線維の束が、眼球後部の壁を突き抜ける箇所のことで、ここを突き抜けて脳に向かうことになります。そして、この視神経乳頭部分の神経線維が最も傷害を受けやすい、ということです。
 因みに、眼圧が基準範囲よりも高ければ必ず緑内障に罹るのかと言えば、決してそうではありません。視神経乳頭部分の構造的強度や、神経線維そのものが頑強な人は、眼圧が高まっても傷害を受けないため、緑内障に罹りません。逆に、視神経乳頭部分が脆弱な人は、眼圧が高まらなくても緑内障に罹るのであり、現代の日本人に増えているタイプになります。

 優秀な眼科にお世話になれば、緑内障の兆候が判ると共に、どのタイプなのかが判明し、それに対する治療が行われていくことになるはずです。その場合、多くは何らかの医薬品によって進行を止める対策が採られます。眼圧が相当高まっているケースであれば、その原因をレーザー光線などを利用して解消するケースもあるでしょう。もちろん、それによって眼圧が下がるだけであって、傷害を受けて消滅に近い状態になってしまった視神経を元に戻すことにできません。要するに、現時点において、西洋医学は緑内障を治す手段を持ち合わせていないのです。だからこそ、自覚症状が出る前に、検査を毎年しっかり受けましょう、ということになっています。
 大抵の人は、起こるのか、起こらないのか、さほど気にせずに待ち構えているだけの状態です。そして、起こってしまっていることが判れば、それ以上進行しないように、眼圧を下げる医薬品などを用いて治療が行われる、というのが緑内障の世界です。しかし、そのような構え方で良いのでしょうか…。積極的に、緑内障を防ぐことはできないのでしょうか…?
 結論を急ぎますが、図の右側に挙げておいたサプリメントをご活用ください。これらが効果を示すという証拠は、世界の幾多の研究機関から報告されていて、掲載したメインの大きな図は、それらを集約した論文(2022年)に掲載されているものです。重要ポイントだけを述べていくことにします。

 日本人の場合に特に試していただきたいのは、図の左上の〝目の血流増加〟に関わっていたリ、図の右下の〝抗酸化と免疫〟に関わっている物質(サプリメント)のうち、「イチョウ葉エキス」「ゴジベリー」「クルクミン」です。これらについては、有効性を確認したという論文数も多く、機序的にも理に適っています。
 このメインの図の中央下部に〝網膜神経節細胞のアポトーシス〟と赤文字にて日本語訳を入れておきましたが、クルクミンが細胞のオートファジー機能を高めることによって過剰なアポトーシスを抑制することは、先にupした『膝の痛みや変形性膝関節症に有効なファイトケミカル』や『ヘバーデン結節やブシャール結節を防ぐ方法』にて述べました。そして、視神経の細胞が集まった網膜神経節細胞のアポトーシスをも、クルクミンが抑制してくれるのです。現代日本人が陥っている体の弱点は、他の疾患でも共通しているわけです。
 併せて、イチョウ葉エキスやゴジベリーは、目に向かう血流を増加させて神経栄養因子などの輸送を正常化させたり、抗酸化や免疫調節によって酸化ストレスや神経炎症を鎮め、網膜神経節細胞のアポトーシスを抑制することになります。

 日本人では割合としては少数派になりますが、眼圧が高い場合にそれを低下させるサプリメントとしては、メインの図の右上の挙げられているものが有効となります。特に手に入りやすいのは、緑色の文字で示した、フォルスコリン、ジンセノシド、レスベラトロール、ヘスペリジンです。検査によって眼圧の高いことが判明したのであれば、このうちの一つか二つを摂取すれば良いと考えられます。これらは、後で検索していただければ解りますように、他の優れた種々の効果を示しますので、緑内障対策だけのための出費にはならず、価値は高いと言えます。

 もう一言ですが、図の右下に追記しておきました他の有効成分、即ち、マグネシウム、亜鉛、メラトニン、ω3系脂肪酸、タウリン、大豆イソフラボンなどは、緑内障に対しても有効であると言われていますが、何よりも、これらは健全に生きるために欠かせないものです。健康維持・増進のための基本的な機能成分として、決して忘れることに無いようにお願いしたいと思います。
 最後に、繰り返しておきますが、日本人における緑内障の改善や予防に役立つ天然物質としてベスト3を挙げるとすれば、それは「イチョウ葉エキス」「ゴジベリー」「クルクミン」です。

 
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