母の涙の意味――その一生懸命さが未来をひらく

母の涙の意味――その一生懸命さが未来をひらく
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佐伯みのり
◆ 第18話 ── 着実に急階段を上がっていくみのり

放課後の職員室は、夕方特有の静けさに包まれていた。窓の外では、沈みかけた陽が校庭を赤く染め、部活動の掛け声だけが遠くで響いている。
高木は、机の上に積まれたプリントを整理しながら、今日のみのりの様子を思い返していた。
(……佐伯の理解力や洞察力… 日ごとに…どんどん高まっている感じがする…。…もう、教科書を元に授業をやってる意味がないというか… ……あの子は、いったいどこまで行くんだろう……)

そのときだった。机の上のスマホが震えた。
(…あっ… 大学からだ…)
胸の奥が、わずかにざわつく。一度、深呼吸をし、通話ボタンを押した。
「はい、高木です」

『高原です。今、時間いい?』
その声は、昨日の教授会での緊張をまだ帯びているようだった。

「もちろんです。どうかされましたか…」

『教授会での結論が出たんだよ…佐伯さんの件で…。そこで、高木君に正式に伝えたいことがあるんだ』

高木は、思わず姿勢を正した。
「……結果が出たんですね」

『うん。できれば、直接会って話したいんだけど…… 今日の夕方、大学まで来られる?』

「伺います。今すぐに向かいます」
自分でも驚くほど迷いのない声が出た。

『ありがとう。じゃ、研究室で待ってるね』

スマホをポケットにしまうと、高木は職員室の窓の外に目を向けた。夕陽はすでに傾き、校庭の端に長い影を落としている。
(……教授会の結果が… …ついに…)

胸の奥が熱くなるのを感じながら、高木は急いで荷物をまとめ、職員室を後にした。廊下を歩く足取りは自然と速くなる。そして、みのりの顔が何度も脳裏に浮かんだ。
(……佐伯… …君の未来が大きく動き出すことになるかも…)

校舎を出ると、夕方の風が少しだけ涼しく頬を撫でた。車に乗り込み、エンジンをかける。大学までの道のりは、いつもより少しだけ緊張を帯びて見えた。

◆ 高木先生が大学に到着
大学に到着した頃には、空はすっかり群青色に変わっていた。
研究棟の自動ドアが静かに開くと、夜の大学特有の静けさが広がっていた。昼間の学生たちの喧騒が嘘のように消え、機器の低い駆動音だけが廊下に響いていた。

高木は、慣れ親しんだ研究棟の廊下を歩きながら、学生時代の記憶がふと蘇る。
(……この廊下、何度歩いたっけな…)
懐かしさと緊張が入り混じる中、高原教授の研究室の前に立つ。ノックをすると、すぐに聞き慣れた声が返ってきた。
「どうぞー」

扉を開けると、高原教授が資料の束を前に、椅子から立ち上がった。
「おお、高木君。来てくれたか。忙しいところ悪かったね」

「いえ、とんでもないです。教授会の結果……伺いに来ました」

高原教授は、長年の教え子を見る目で微笑み、机の上の分厚いファイルに手を置いた。
「……じゃあ、話そうか。佐伯さんの未来について、ね」
少々、もったいぶったような高原教授の言い方に、高木の気持ちがさらに高まった。

高原教授は、高木に椅子を勧めながら言った。
「まあ座って。……いやぁ、高木君。昨日の教授会は、けっこうドラマチックだったよ」

「なんか… ちょっと分かる気がします。高校2年生がテーマだったからでしょうね」

「そうなんだよね。会議が始まる前は、高校生の脳活動で緊急教授会なんて前代未聞だ、などという声が方々から聞こえていたからね…」
苦笑しながらも、その表情にはどこか誇らしさが滲んでいた。

高木が席に着くと、高原教授は、机の上の分厚いファイルを軽く叩いた。
「結論から言うよ。佐伯さんの飛び入学──正式に検討開始が可決された」

高木は息を呑んだ。
「……本当に、飛び入学が…可決されたんですね…」

「うん。反対意見は一つもなかった。むしろ、ぜひ受け入れるべきだって声のほうが多かったよ。あのデータを見たら、誰だってそう思う」

高原教授は、昨日の教授会を思い返すように目を細めた。
「それでね…、佐伯さんには、高校2年のうちから研究室に出入りしてもらいたいというのが、教授会としての総意なんだ」

「2年生のうちから…?」

「そう。もう受験勉強なんてしなくていいし、むしろ高校の授業だけでは彼女の成長を止めてしまう。だから、大学側としては、早くこちらの環境に慣れてほしいわけだ」

高木は深く頷いた。
「確かに……あの子は、もう高校の枠には収まらないですよね。今日も、私の物理の授業中には、教科書に書いてあることの、その奥の奥を探っているような気配を感じました」

「だろう…! このあと、曜日や時間帯は高校側とも相談しながら決めたいのだけど…。あと、佐伯さん本人と、お母さんの意向も聞かないといけないしね」

そこで高木は、少し言いにくそうに口を開いた。
「……教授。佐伯みのりのお家は、母子家庭なんです。学費のこと……きっと気にされると思います」

高原教授は、即座に首を振った。
「心配いらないよ、高木君」
その声は、いつになく強かった。
「佐伯さんは、日本の宝だ。いや──世界の宝だと言ってもいい。経済的な理由で、才能を潰すなんてことは、私たちが絶対にさせない。制度でも、奨学金でも、研究費でも、何でも使う。大学として、全力で支えるつもりだよ」

高木は、胸の奥が熱くなるのを感じた。
「……ありがとうございます。そう言っていただけると、本当に救われます」

「むしろ、こちらが感謝したいくらいだよ。あのような才能を見つけて、ここまで育ててくれたんだからね」

高原教授は、穏やかに笑った。
「さて…次は、お母さんへの説明だね。高木君、お願いできるかな…」

「もちろんです。私から、しっかりお伝えします」

「頼んだよ。あの子の未来は、もう動き始めてる。ここからは、私たち大人の責任だ」

研究室の静けさの中で、二人の決意が確かな熱を帯びていた。

◆ 高木先生がみのりの母に会いに行く
大学を出る頃には、空はすっかり夜の色に染まり、街灯がぽつりぽつりと歩道を照らしていた。

高木は車に乗り込み、ハンドルに手を置いたまま、しばらく目を閉じた。
(……どう伝えるべきか …みのりの将来が大きく変化することになる。お母様は…それをどう受け止めるだろう…)
不安と期待が入り混じるなか、高原教授の言葉が心中に響いていた。『佐伯さんは、日本の宝だ。いや、世界の宝だと言ってもいい。経済的な理由で才能を潰すなんてことは、私たちが絶対にさせない』――その言葉が、高木の背中を押した。

エンジンをかけ、みのりの家へと車を走らせた。住宅街に入ると、夕食の匂いがどこからか漂ってきた。家々の窓から漏れる灯りが、どこか温かく、どこか切なかった。
みのりの家の前に車を停めると、玄関の灯りがぽつりと灯っていた。
(……よし)
インターホンを押すと、少しして、慌ただしい足音が近づいてきた。
「──はい」

扉が開くと、仕事帰りの服の上にエプロンだけを羽織った姿のみのり母が、驚いたように目を丸くし、すぐに柔らかい笑顔を浮かべた。
「あら、高木先生…! こんな時間に、どうされたんですか?」

高木は深く頭を下げた。
「突然すみません。少し……お話ししたいことがありまして…」

母の表情が、一瞬で、ただ事ではないと悟った色に変わる。
「……みのりに、何かありました?」

「いえ、悪い話ではありません。むしろ…とても大事な、良い話です」

その言葉に、母は胸を押さえるようにして息をついた。
「……どうぞ、中へ」

リビングに通されると、テーブルの上には夕食の片付け途中の食器が並んでいた。生活の温度がそのまま残る空間に、高木はどこか胸が締めつけられる思いがした。

母は、湯気の立つお茶を置き、正面に座った。
「……みのりのことでしょう? あの子、何か…ご迷惑を?」

「いえ、全くそんなことはありません。むしろ、驚くべきことが起きています。この前、お母さんに、お電話にて、みのりさんを大学の研究室に同行していただくことの承諾を頂きましたが、そのお話の続きになります」

母は、そのことを思い出し、やさしく微笑みながら
「あぁ、そうでしたね。私も仕事と家事でバタバタしていて、みのりから、まだ詳しいことは聞いてないんですよ」

高木は、大学での出来事を、順を追って丁寧に話し始めた。それは、大学の研究室に同行してもらった詳しい理由、そこで測定された脳波やMEGの結果、渡された大学物理の問題を2分で解いたこと、教授会が緊急招集されたこと、そして、飛び入学の検討が可決されたこと…などであった。

母は、最初は驚き、次第に信じられないという表情になり、最後には、言葉を失っていた。
「……そんな…… みのりが…?」

高木は静かに頷いた。
「はい。大学は、みのりさんを正式に迎えたいと言っています。また、高校2年のうちから研究室に出入りしてほしい、とも…」

母は震える声で、みのりについて静かに話し始めた。
「……あの子… 私たちの前では、あまり多くを話さない子なんです…。……最近でこそ、まるで人が変わったように活き活きとしてる感じがするのですが… それまでは、なにか… ずっと…苦しんでいるような感じがしていました。ただ、私もゆっくり話す時間がなくて…… ずっと気にしてはいたのですが… …それなのに今… 先生方からこんなお話をいただけるなんて…」

高木は、軽く頷いた。

そして、母はさらに続けた。
「先生もご存じのように、うちは母子家庭なのですが、経済的な理由で、あの子を苦しめないように…… そして、あの子が将来、どのような進路を希望するかわかりませんから、学習塾にも通わせていました。私なりに、すごく頑張ってきたと思っています。ただ、現実問題、大学は高校と違って、やはり学費が高いですよね。……私は、みのりが望むなら、大学にも行かせてあげたいと思ってはいるのですが…」

その瞬間だった。高木は、高原教授の言葉をそのまま伝えた。
「大丈夫です。大学は、みのりさんを全力で支えると言っています。経済的な理由で才能を潰すことは絶対にしない。制度でも奨学金でも研究費でも、何でも使うと、教授がはっきり言っていました」

母は、胸に手を当てて、深く息を吸った。
「……大学の先生が…… 本当に、そう言ってくださったんですか?」

「はい。高原教授が、はっきりと言ってました。そして、佐伯みのりさんは日本の宝だ、いや、世界の宝だと言ってもよい――とも言っていました」

母は、その言葉を聞いた瞬間、堪えていたものが決壊したように、両手で顔を覆った。
「……そんな…… あの子が……」
涙がぽろぽろと落ちていく…。

高木は、静かにその涙を見守った。
(……佐伯… 君の未来は、大人たちが…ちゃんと守るからな)

しばらくの間、母は両手で顔を覆ったまま、声も出せずに泣き続けていた。高木は、その涙が落ち着くまで、ただ黙って待った。

やがて母は、ゆっくりと顔を上げた。目は真っ赤だったが、その奥には、先ほどまでとは違う強さが宿っていた。
「……すみません…… 先生の前で、こんな……」

「いえ。当然のことです。お母さんにとっては、突然の話ですから…」

母は震える指で涙を拭いながら、小さく息を整えた。
「……みのりは、小さい頃から…… ずっと一人で頑張ってきた子なんです。私が仕事で遅くなる日も、文句ひとつ言わずに…… 勉強して、家のことも手伝って……」

言葉が途切れ、また涙がこぼれそうになる。

「……でも、まさか…… あの子が…… そんなふうに言っていただけるなんて……」

高木は、母の気持ちが少し落ち着くまで間を置いたあと、確認しなければならないことについて話し始めた。
「…お母様としましては、みのりさんの大学への飛び入学や、2年生の段階での大学の研究室への出入りを、承諾していただけますか? …もちろん、今通っている塾をどうするかですが、飛び入学の場合の判定は、既に飛びぬけた能力が確認されているわけですので、一般的な入学試験は行われません。…ですので、進学塾はすぐにやめてもらって結構です」

母は、その言葉を噛みしめるように目を閉じた。そして…ゆっくりと、しかし確かな声で言った。
「……分かりました。みのりの将来のためなら…… 私は、どんなことでも受け入れます。先生方が言ってくださったこと… 全て喜んでお受けさせていただきます。…そして… …みのりのこと、どうぞよろしくお願いいたします…」
その言葉は、涙で震えながらも、確かな母の決意だった。

高木は、胸の奥がじんと熱くなるのを感じた。
「ありがとうございます。では、次は… みのりさん本人に、この話を伝えましょう」

母は、小さく頷いた。
「……あの子、きっと驚きますね」

二人の間に、静かだが温かい空気が流れた。

◆ 高木先生からみのりへ
翌日の放課後――教室には、帰り支度をする生徒たちの声がまだ残っていた。
みのりは、いつものように静かにノートを閉じ、鞄にしまおうとしていた。

そのとき──教室の入り口から、高木先生がゆっくりと近づいてきた。
「佐伯、ちょっといいか」

みのりは顔を上げた。
「…はい」

高木先生の表情は、どこかいつもと違っていた。優しいけれど、どこか緊張を含んでいた。
「少し話したいことがあるんだ。空き教室に行こうか」

みのりは、胸の奥がざわつくのを感じながら頷いた。

空き教室は、夕陽が差し込んでオレンジ色に染まっていた。
高木は、みのりの正面に座ると、言葉を選ぶように、ゆっくりと話し始めた。
「大学で色々と測定してもらった結果の話なんだけど… 測定が終わってから、君も佐野教授から、結果を少し聞いたよね。そのあと、大学の先生たちが、もっと詳しくデータを解析して、その後に、他の大勢の先生方も一緒になって会議をされたんだ。今から、その結果を君に報告するね」

みのりは、ちょっと不安そうに口を開いた。
「…はい、わかりました」

高木はまず、昨日大学で聞いたすべてを、丁寧に、順を追ってみのりに話し始めた。脳波やMEG測定の結果、大学の物理の問題を2分で解いたこと、それらに関する佐野教授や自分の恩師である高原教授の見解、それを受けて教授会が緊急招集されたこと、そこで飛び入学の検討が可決されたこと、また、高校2年生の段階から研究室に関わってほしいと希望されたことなど、であった。

みのりは、最初はただ黙って聞いていた。しかし、話が進むにつれて、その表情は驚きへ…、そして、信じられないという戸惑いへと変わっていった。

「……え……? 私が……大学に……? 3年生になる前に…ですか??」
声は震えていた。

「そうだ。大学は、制度上で可能な限り、君を早く迎えたいと言っている。文科省の指針としては、飛び入学の場合でも、高校に2年以上在学した後であることが条件になっている。だから、君の大学への入学は来春になる。ただ、大学側はそこまで待てないので、来春になるまでにも、大学の研究に加わってほしいと言ってるんだ」

みのりは、机の上で握った手を見つめた。
「……そんな…… 私なんかが……?」

高木は、その言葉を遮るように、静かに、しかし強く言った。
「佐伯。“私なんか”なんて言葉は、今の君には似合わないよ」

みのりは顔を上げた。

高木は続けた。
「君は、自分で思っている以上に、桁外れの理解力や洞察力を持っている。そして、かなり難易度の高い物理や化学の問題を、ごく短時間で解くことができる…。この前、大学で渡されたあの物理の問題…、佐伯がたったの2分間で解いてしまったことが、大学のたくさんの教授たちの度肝を抜いたんだ。大学生のレベルを、もう…遥かに超えているんだよ」

夕陽が、みのりの頬を淡く照らした。
しばらくの沈黙のあと──みのりは、小さく息を吸い、震える声で言った。
「……私…… 怖いです」

その言葉は、本音だった。…そして、続けた。
「でも…… もし…… 私にできることがあるなら…… 誰かの役に立てるなら……」
みのりは、ゆっくりと顔を上げた。
その瞳には、確かな光が宿っていた。
「…私… …行きたいです。大学に…。もっと…知りたい。自分が、何者なのか…」

高木は、その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなるのを感じた。
「……そう言ってくれると思っていたよ」

みのりは、少しだけ笑った。その笑顔は、昨日までの彼女とは違っていた。迷いを越え、未来を見つめる人の笑顔だった。

◆ あかりさんへの報告
その日の夜――みのりは、ちょっと震える指で、あかりさんにメッセージを送った。

☆ みのりからのメッセージ
『あかりさん。今日、先生から大事なお話がありました。大学の教授会で、私の飛び入学の検討が正式に可決されたそうです。そして、高校2年のうちから研究室に出入りしてほしい、とも言われました。』

『正直、すごく驚きました。でも……あかりさんが前に言ってくださった“脳が本来の姿に近づいている”という言葉を思い出して…… 私、怖いだけじゃなくて……嬉しい気持ちもありました。』

『もっと知りたいんです。自分の脳がどうなっているのか。自分が、どこまで行けるのか…。そして……宇宙飛行士になりたいという夢に、少しでも近づけるなら……前に進みたいと思いました。』

『あかりさんに、一番に伝えたかったんです。私、大学に行きたいです。』

☆ あかりさんからのメッセージ
『みのりさん。ご報告をありがとうございます。そして…その決意を聞けて、私は本当に嬉しく思います。』

『前にお伝えした通り、みのりさんの脳は“本来の姿”に戻りつつあるのです。今回の大学の判断は、その結果であり、その証拠でもあります。でも、まだまだ、こんな程度じゃないはずですよ』

『みのりさんが以前に打ち明けてくれた、宇宙飛行士になりたいという夢…。その夢に近づくためには、大学での学びは必ず必要になります。今回の飛び入学の件は、その夢に着実に進むための、みのりさんが自分の力で掴んだ“最初の扉”なんです。』

『私は、みのりさんがその扉を開くことを、ずっと願っていました。これからも、みのりさんの歩む道を静かに見守り、支えていきますよ。』

◆ みのりの夢と決意が結びついた瞬間
みのりは、スマホを胸に抱きしめた。あかりさんの言葉は、不安を溶かし、決意を確かなものに変えていった。
(……あかりさん… 私…本当に、前に進んでいいんだ… 宇宙に行く夢を追いかけていいんだ…)

(……そういえば…あの夜…… 私は、全部がうまくできないような気がしていて… 私だけ置いていかれてる感じもしていて… 塾帰りの途中のベンチに座って、今にも泣きそうになっていた… そのとき、私にやさしく声をかけてくださったのが… あかりさん…)

(……その後に、あかりさんから頂いた…あの装置…、部屋に置いているあの装置もそうだ… そして5種類のカプセル/錠剤… あと…物理や化学の捉え方なども教えてもらった… …そのおかげで…なんか怖いようにいろんなことが分かるようになって…)

(……あかりさんに… どれだけ感謝してもしきれない… 本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします)

涙が頬を伝うのを、もう止めようとは思わなかった。そしてその夜、みのりの決意は、“夢に向かう決意” へと変わった。

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