クレーマーの怒りを鎮め、心を穏やかにさせる裏技

クレーマーの怒りを鎮め、心を穏やかにさせる裏技

◆ この物語の登場人物
<1> クレームおじさん(50代・関西人・怒りMAX)
<2> 会社のおねーさん(20〜30代・穏やか・プロフェッショナル)
 【当日の外見(重要)(添付の画像参照;(高画質PDFはこちら))】《服装:》淡いグレーでマット素材のジャケット、淡いブルーのブラウス(とろみ素材)、ベージュの膝丈のスカート、《メイク:》ブラウン系のアイシャドウ、薄いピンクのチーク、自然色のリップ、眉は角度をつけず柔らかいライン。《髪:》鎖骨あたりまでのミディアム、自然なブラウンの色味、光を柔らかく反射するナチュラル質感、前髪は薄くて額を少し見せるシースルータイプ、全体はハーフアップで軽くまとめられ、顔まわりが明るく見える安心のデザイン、揺れは控えめで相手を刺激しない。《靴:》足音のしない低めのヒール。《全体の雰囲気:》柔らかく、安心感を与える“接遇のプロ”の佇まい。

◆ 事の背景
 ある日の午後、一人の男性が眉間に深いシワを寄せながら、購入したばかりの製品を手に持って、製造会社の受付に向かって歩いていました。実は、その製品は自分の思い通りに動かず、説明書を読んでも原因が分からず、カスタマーセンターに電話しても解決せず…、という状態でした。そして、ついに彼は、「直接会社に行って文句を言ったる!」と決意したのでした。
 怒りのエネルギーは、歩くたびに増幅していきます。「なんでこんな簡単なこともでけへんねん」「責任者、絶対呼んだるからな」そんな独り言をつぶやきながら、彼は受付の自動ドアをくぐりました。
 しかし、この男性はまだ知りません。この会社には、“怒りを鎮めるための環境デザイン” が徹底的に仕込まれていることを…。香り、音、色、植物、飲み物、そして、受付に立つ“おねーさん”の存在そのもの。
 彼がこれから体験するのは、怒りを抱えて訪れた人間が、なぜか穏やかになって帰っていったという、ちょっと不思議で、しかし科学的に説明できる現象です。ここから先は、怒りMAXのおじさんが、受付から部屋に案内されるまでの数分間でどのように変化していったのか、その一部始終を、漫才仕立てでお届けします。
 
◆事の進行
【1】受付に着いた後:神対応と香りの罠
おじさん(怒りMAX)――「こんな商品… どうなっとんねん!責任者呼べや!」
(奥から、おねーさん登場。柔らかく、清楚で、安心感を与える佇まい。周囲にはラベンダーの香りが漂う)
おねーさん ――(微笑み)「ようこそお越しくださいました。どうぞこちらへ」
おじさん ――(…ん?なんやこのええ匂い…。 いや、ちゃうねん、ワシは怒りに来たんや……。…ていうか、このおねーさん… なんか柔らかい雰囲気やな… 服の色も落ち着いてるし… なんやろ… めっちゃ怒りにくい……」
(おねーさんに案内されて移動する間に、心拍数が少し下がり、怒りゲージが20%減少)

【2】廊下に入ると:BGMの罠
(静かにBGM(ボサノバ × ピアノ × 自然音)が流れている)
おじさん ――(なんやこの音楽… 落ち着くやないか…。 …いや、落ち着いたらアカンねん! ワシは怒りに来たんや…。」
おねーさん(案内しながら、柔らかい声)――「本日はお足元の悪い中、ありがとうございます」
おじさん ――「いやいや、そんな気遣いせんでええねん」(…ちょっと嬉しいけど)
(斜め前を歩くおねーさんの髪とベージュのスカートが柔らかく揺れ、怒りのゲージが更に下がる)

【3】待合スペース:インテリアの罠
(観葉植物が並ぶスペース)
おじさん ――(なんやこの緑… 森か? 森に来たんかワシは…)
おねーさん ――「こちらで少々お待ちくださいませ」
おじさん ――(いや、なんか… ここ落ち着くな)
(植物の効果で副交感神経が優位になり、怒りのゲージが更に下がる)

【4】部屋に入ると:壁の色と玉露の罠
おねーさん ――「どうぞ、お入りください。 …こちらの席にどうぞ」
(案内された部屋は、淡いブルーの壁。おねーさんの服装と調和している)
おじさん ――(…あれ?なんか急に怒る気がせぇへんようになってきた…)
おねーさん ――「よろしければ、玉露をどうぞ」
おじさん ――(玉露!?なんや…このええ香り…。うまっ…)
(テアニンでα波が増え、おじさんはかなり落ち着く)

【5】追い打ち:発芽玄米茶の罠
おねーさん ――「もし、よろしかったら…。 こちらは発芽玄米茶でございます」
おじさん ――「すまんなぁ、そんなに気ぃ使わんでええよ」
(おじさんは発芽玄米茶も飲み、それに多く含まれるGABAが効いてきて完全に穏やかモード)
おじさん ――(…なんかもう、怒るのしんどなってきたわ…)

【6】最終形態:おじさんの変化
おじさん ――「こんな丁寧に対応してくれる会社、信用できるわ。…いや、実はワシも悪かったんや…。帰ってから説明書、しっかりと読み直してみます…」
おねーさん ――(柔らかい笑顔)「ありがとうございます」
(完)

◆ なぜ“おじさんは穏やかになったのか”の科学的根拠
 上記の各演出に伴う、おじさんの心境変化には、次のような科学的な根拠がありますので、それぞれを簡単に紹介します。
① 香り(アロマ)
 ラベンダーの香りは、副交感神経を優位にする、心拍数を下げる、怒り・不安を抑えるという、鎮静のためのアロマとして非常に優秀なものです。

② BGM(音楽)
 BGM(音楽)としては、60〜70 bpm (Beats Per Minute)のゆったりとした音楽、例えばジャンルとしてはボサノバやジャズ(緊張緩和)、楽器としてはギターやピアノ(心拍数低下)、これに自然音(波の音、川のせせらぎ、静かな虫の音など;安全感)が加えられていると相乗効果が高まります。例としましては、当研究室の『自然界の音』のページにて公開している「渓流+音楽」のようなものが有効です。

③ 観葉植物
 インテリアとして、部屋に観葉植物があるだけで、心拍数が下がり、血圧が下がり、怒りの持続時間が短くなります。逆に、『現代の住環境が高ストレスを生み病人を作る』わけですので、それがクレーマーの数を増やす原因になっていると考えられます。従いまして、部屋に植物を並べるだけでも穏やかになるのです。

④ 淡いブルーの壁の色
 淡いブルーの環境色が目に入ると、副交感神経が優位になり、心拍数が下がり、呼吸が深くなり、怒りや緊張が抑えられます。なお、青色が濃すぎると、“冷たさ”や“距離感”が強調されてしまい、相手に「拒絶されている」「突き放されている」という印象を与えてしまいますので、クレーム対応の場では“淡いブルー”であることが重要です。

⑤ 2種類の飲み物
 玉露は、含まれている旨味成分の“テアニン”の効果が期待されます。即ち、リラックスさせる、α波を増やす、緊張を緩和させる、という効果が発揮されるのです。なお、テアニンに関する更なる詳細につきましては『テアニンは精神面をはじめとした全身的な健康効果を示す』をご参照ください。
 また、発芽玄米茶は、それに多く含まれている“GABA”の効果が期待されます。即ち、交感神経が抑制されたり、落ち着きが誘導されたりします。なお、GABAに関する関連情報につきましては『GABAを含む植物を食べないと食欲を抑え難くなる』をご参照ください。

⑥ おねーさんの服装やメイクなど
 淡いグレーでマット素材(テカテカせず控えめな仕上げになる素材)のジャケットは、威圧感ゼロで、まさに「中立・落ち着き」の色となります。内側に着ている淡いブルーのブラウス(とろみ素材)は、柔らかい印象で、怒りを鎮める“安心の色”となります。ベージュの膝丈のスカートは、柔らかさ・受容性・安心感を最大化する最適解となります。なお、上下が同色であるスーツにしない理由は、スーツというのは、交渉・ビジネス戦闘モード・対立、という印象を相手に与えます。一方、クレーム対応では、“戦う”のではなく“受け止める”のが目的ですので、柔らかい印象のジャケットが最適だということになります。また、スカートかパンツか、という問題につきましては、パンツの場合は理性的ではありますが、それがやや威圧感を与えることになります。一方、長すぎず短すぎない膝丈スカートが、最も安心感・柔らかさ・受容性を与えることになります。
 髪の長さにつきましては、長すぎると目立つだけでなく、揺れが大きくてそれが刺激になりますし、逆に、短すぎると、キリッとしすぎて“交渉モード”に見えますので、肩〜鎖骨あたりまでのミディアムヘアが最適です。髪型は、怒っている人は相手の顔が見えないと不安が増すという心理がありますので、ハーフアップまたは低めのひとつ結び(ローポニー)が最適となります。なお、避けるべき髪型は、顔が隠れて不安を誘発することになる“髪を全部下ろす”こと、元気すぎて逆効果になる“高い位置のポニーテール”、事務的で冷たい印象を与える“お団子”です。前髪につきましては、薄めの前髪(シースルー系)が最も良く、柔らかい、優しい、親しみやすい、相手の緊張を下げる、とう効果を生み出します。一方、避けるべきなのは、“完全に前髪なし(オールバック)”であり、これは威圧的・強い・“交渉のプロ”感が出てしまいますので、逆効果となります。髪の色は、黒すぎると堅く見えますし、明るすぎると軽く見えますので、柔らかさと誠実さのバランスが最も良い“自然なブラウン(6〜8レベル)”が最適となります。また、髪の質感は、パサパサだと不健康に見えますし、ツヤツヤすぎると目立って、相手に対して刺激が強くなりますので、自然なツヤの“ナチュラル質感”が最適となります。
 メイクは、自然色・柔らかい眉・マット仕上げによって、“優しい・落ち着いた・安心できる”顔を作ることを目標にすれば結構でしょう。
 その他、声のトーン、話し方、しぐさなど、細かな点はいろいろありますが、今回の記事では以上にしておきたいと思います。なお、既にupしております『落ち着いた人のそばにいると落ち着く ― 空間を伝わる“生体同調現象”』も関係しますので、必要に応じて当該記事をご覧ください。

◆ まとめ:怒りは「環境」と「人」で溶けていく
 今回の“おじさん”が体験しましたように、ラベンダーの香りで呼吸が深くなり、ゆったりした音楽で心拍数が落ち着き、植物の緑で副交感神経が優位になり、淡いブルーの壁で緊張がほどけ、玉露と発芽玄米茶で脳がリラックスし、そして何より、“おねーさん”の柔らかな佇まいが“安全・安心”を伝えることになったわけです。その結果として、怒りまくっていたおじさんが穏やかになり、冷静に状況を受け止め、最後には「説明書を読み直します」と言える状態へと変化したわけです。
 言い換えるなら、人間の怒りは、香り・音・色・植物・飲み物・対応者の服装・髪型・表情・声・しぐさ、といった“環境刺激”によって、自律神経がゆっくりと整えられることで自然に弱まっていきます。つまり、怒りとは「脳と身体の反応」 であり、それを鎮めるには相手の「脳と身体が安心する条件」を整えることが最も効果的だということです。
 次のように言うこともできます。怒りというのは、決して「気合い」や「説得」で抑え込むものではありません。怒りを鎮める最も良い方法は、相手をねじ伏せることではなく、相手の身体が安心できる環境を整えることです。怒りは、“正しい環境”と“正しい人のあり方”によって、こんなにも優しく変化していくのです。

 
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執筆者
清水隆文

( stnv基礎医学研究室,当サイトの keymaster )
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