あなたの体は常在ウイルスや常在細菌が守ってくれる

あなたの体は常在ウイルスや常在細菌が守ってくれる

 今回の内容は、きっかけとしてレプリコンワクチンの件があったのですが、もう殆どの疾患と、その治療法の基盤となる内容になります。
 因みに、今話題になっているレプリコンワクチンとは、新型コロナウイルス感染症のためのmRNAワクチンの派生版で、スパイクタンパク質(を構成している部分的なペプチドの何種類か)をコードしているmRNAを細胞内で自己複製させる仕組みを組み込んだワクチン(広義のワクチン)のことです。少量を打てば、後は細胞内でmRNAが勝手に複製されますので、様々な面で供給側のコストダウンが可能になることでしょう。そしてこのワクチンが、今年の秋(2024年10月)から定期接種として加えられる予定なので、その危険性から、中止を訴える幾つかの団体が反対運動を活発化させているという状況です。
 もう、いつになったら、このような愚かなワクチンビジネスが無くなるのでしょうか…。大きな課題として、未だに「新型コロナウイルスの感染を防ぐにはワクチンを打った方が良い」と思っている人が何割かいらっしゃることでしょう。少なくとも、このブログを読んでくださっている方々の中にはいらっしゃらないと思われますが、それ以外の方々の中にいらっしゃるわけです。どうすれば、そのような方々に正しい情報が伝わるのか…、後遺症が出たり亡くなられたりしてからでは遅いです…。
 
 コロナウイルスやインフルエンザウイルスのように、主に気道から感染するウイルスを防ぐために、筋肉内に注射するワクチンを使うことの無力さにつきましては『気道から感染するのに血中にワクチン入れてどうするつもり?』にて述べていますので、まだご覧になっていなかった方はお読みください。
 また、予防法につきましては『海外で注目を浴びる緑茶の圧倒的な抗ウイルス作用』、および『TVでは未だに報道が避けられる新型コロナ特効成分のEGCG』にて述べていますので、まだご覧になっていなかった方はお読みください。
 そして今回は、そのような風邪の類の感染症だけでなく、各種の肺疾患(喘息、COPD、肺線維症、各種肺炎、気管支拡張症、肺がん、など)との関係も深い事柄になります。

 先に、結論的に申し上げるならば、肺の各種疾患を防ぐためにも「自然界から得た常在微生物や常在ウイルスを大切にしてください」ということになります。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話を持ち出しますが、重症化率は都市部などの人工的環境に住む人のほうが高く、逆に、自然豊かな地域に暮らしている人では重症化率が低かったわけです。これには複数の要因がありますが、その一つが体内における常在微生物や常在ウイルスの種類や数の多さです。即ち、自然豊かな地域の環境中に居る細菌やウイルスの多くを肺や腸内に取り込んで常在化させている人は、感染も重症化もし難かったわけです。
 人工的環境には、多量の微生物やウイルスが棲んでいる土壌や海水がありません。即ち、街全体が生物多様性の乏しい環境になっているわけです。おまけに、周囲を消毒しまくり、手を丁寧に洗って消毒し、マスクをしますから、ますます生物多様性が無くなります。その結果として、肺における防御機能や健康維持機能が低下し、感染しやすい体になり、重症化しやすい体になってしまった、ということです。

 では、対策の方から見てくことにしましょう。すぐに自然豊かな地域に引っ越すわけにはいかないでしょうから、できる範囲で理想に近づけることが必要になります。COVID-19や肺の各種疾患に絞ることにしますが、これらを予防したり重症化したりすることを防ぎたければ、先ずは食生活を理想に近いものにして、腸内細菌叢を豊かなものに変えていくことが先決です。mRNAワクチンを打っている場合ではありません。あなたを守ってくれるのは、自然界に居る微生物やウイルスなのであり、それを養うためには、自然界で採れたものを加工度の低い状態で腸管内に入れてやることが、最も先にするべきことになります。
 肺と腸内の細菌叢の関係は次のようです。掲載した図(高画質PDFはこちら)の左側に引用した図には〝肺-腸軸(lung-gut axis)〟という概念が描かれています。一言で言うならば〝肺と腸のマイクロバイオームは密接に関連し合っている〟ということです。なお、マイクロバイオームという語は、微生物叢および含まれる遺伝子の総体を指す語です。
 最も理想的には、幼少期から自然豊かな地域に暮らし、土壌または海水に居る微生物やウイルスを体内(肺や消化管内)に取り込み、常在微生物として免疫系に登録させてやる必要があります。成人になってからでも、何年間かに亘って取り込み、それを育成するための食事を繰り返していれば、そのうち免疫系に登録される可能性はあります。いわゆる、免疫寛容と同様の仕組みですから、気長に続ければ可能になります。
 
 次に、肺で起こる出来事を見ていくことにしますが、常在するものとして免疫系に登録された微生物やウイルスは、肺胞に棲んでいても免疫系に攻撃されることはありません。掲載した図の右下に引用した図に描かれていますように、実際に肺胞内には種々の細菌、マイコプラズマ、ウイルスなどが存在しており、それらが肺内の環境や免疫応答を調節し、肺の健康や恒常性維持のために働いています。そして、登録されてない微生物やウイルスが肺胞内に入ってきたとき、それらの侵入を強く防ぐことに貢献することになります。

 タイトルにしました『あなたの体は常在ウイルスや常在細菌が守ってくれる』ということは、それを疎かにする行為や考え方は、全て逆効果になるということです。日常的な消毒は最悪の行為ですが、ワクチンでも同様のことが言えます。人工的に作られたワクチンは、特定のアミノ酸配列のペプチドに対するIgGを作ることが目的ですが、そのようなものの接種が増えると、免疫系に登録されている常在細菌や常在ウイルスのバランスを乱してしまう可能性が大いにあるわけです。
 例えば、風邪の症状をもたらす(旧型)コロナウイルスは、体内に常在しているからこそ、体調を崩したり無理し過ぎたりすると風邪を引くことになるわけですが、それらは普段は体の恒常性維持に関わっている可能性があるわけです。或いは、各種のヘルペスウイルスにしてもそうです。一見悪さをするウイルスのように捉えられがちですが、一面では健康維持に関わっている可能性が大いにあるわけです。そのため、不用意にそれらを攻撃して人為的に無くしてしまうと、それによって思わぬ不具合を生じる可能性が出てきます。例えば農業などで、特定の害虫を駆除すると他の害虫が増えたり、それまで居た貴重な生物種が居なくなったり、やがては全体的な生物多様性が低くなって人間が苦しむようになる…、という現象に似ています。
 図中にも書きましたように〝種々の人為的介入が、ヒトと微生物/ウイルスとの関係を乱しつつある〟と思われます。私たちは、そのような余計なことをするのではなく、また、余計なことをしようと考えるのでもなく、自然界に溶け込んで自然な生活することが、健康を保つための基本であることは間違いありません。

 
執筆者
清水隆文

( stnv基礎医学研究室,当サイトの keymaster )
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感染症腸内細菌
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