がん予防および克服のための基本(全がん対象)

がん予防および克服のための基本(全がん対象)

 がん(癌)に関する記事は、これまでに幾つかupしてきましたが、それらの一覧を表示するには、当ブログ内にあります「カテゴリー」の中で「がん-癌」というカテゴリーを選んでいただくか、https://stnv.blog/category/cancer/をクリックしていただくことで可能になります。
 なお、これまでにupしてきた記事の順番は、大切なことを出来るだけ早くしっかりと伝えたいという気持ちから、具体的な対策になると思われる各論から順にupしてきた傾向があります。従いまして、今回ご紹介しますのは、まだ紹介していなかった総論的な内容になります。

 掲載した図(高画質PDFはこちら)は、この後に書き連ねていく文章と同内容になりますので、図の方は後からご覧になり、頭の中を整理するなり、誰かに紹介するための資料にするなり、ご自由に使っていただければ結構です。
 
 タイトルを「がん予防および克服のための基本(全がん対象)」としたわけですが、「治療」とか「治す方法」などというフレーズを使わなかったのは、日本における諸制度との干渉を避けるためですので、実質上は同じ意味となります。
 また、日本で行われているがんの標準治療は、「がん細胞は狂った異常細胞である」という捉え方をしているが故に、正しい治療法にはなっていません。即ち、がん細胞の本質を見誤っているため、誤った治療を行っているわけであり、だからこそ、その治療によってがん細胞を狂暴化させ、およそ5年後以降に患者さんを死に至らしめているわけです。標準治療こそが正しいと教え込まれている方々にとっては、これから私が書いていくことに抵抗をお持ちの方が出てくるかも知れませんが、それを気にしていたのでは世の中を修正していくことは出来ません。従いまして、私は構わず書いていきますのでご了承願います。

 では、内容に移っていきます。「がん予防および克服のための基本(全がん対象)」として、最も重要だと考えられますのは、「【1】がんが生じる体内環境を作らない、または、がん化に至った原因を解消する」ということです。前者が予防法であり、後者も含めた両者が治療法の基本だということになります。
 例えば、手術によって、がん組織を摘出したとしましょう。しかし、これはがん化に至った原因を解消したのではありませんし、手術をはじめとした諸々の治療行為によって、更にがん化しやすい体内環境を作ってしまうことになります。愚の骨頂は、念のためだと言って抗がん剤や放射線治療を併用することです。多くの場合、これが命取りになります。
 因みに、このあたりの内容で既にupしている記事としましては、『がん細胞に見られる遺伝子変異は結果である』や、『なぜ、がん(癌)になるのか』がありますので、必要に応じてご覧ください。

 そして、上記の具体的な対策として次の2つを挙げておきました。
 1つ目は、「1.発がん性物質を入れない、触れない、生じさせない」ということです。そして、発がん性物質を含んでいるため避けるべき食材や食品の例としましては、加工肉、ジャンクフード、合成保存料の多い食品、加工度の高い食品、プラスチック容器に入ったもの、などを挙げておきました。また、避けるべき環境汚染物質の例としましては、排気ガス、タバコ、煤塵などを挙げておきました。また、腸内環境悪化の例として、動物性食品の摂取過多や、植物性食品の摂取不足を挙げておきました。
 従いまして、これらを改善することなく、他のどのような治療を行ったとしても、がんの予防や克服は不可能だということになります。

 2つ目は、「2.炎症が起きやすくなる状態を作らない」ということです。その具体例として、次の三つを挙げました。
 一つ目は、ω3系脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHA)に対するω6系脂肪酸(アラキドン酸など)の過多を避けることです。
 二つ目は、工業化して生産される牛、豚、鶏の肉を多食しないことです。その主な理由は、肥育のための各種ホルモンや成長因子が多く含まれていること、カルシウムに対するリンの割合が多いこと、ω3系脂肪酸がほとんど含まれていないこと、腸内細菌叢が悪化すること、などが理由です。
 三つ目は、牛乳を飲まない、乳製品を出来るだけ避けることです。これは、女性ホルモンや各種の細胞成長因子が、がん細胞を増殖させること、乳糖やカゼインも良くないこと、リンやカルシウムに対するマグネシウム含有率が低いこと、などが理由です。
 前述と同様に、これらを改善することなく、他のどのような治療を行ったとしても、がんの予防や克服は不可能です。

 次に、大項目の2つ目として、「【2】がんを抑制する物質を摂る」を挙げました。そして、これの具体的な対策として次の5つを挙げました。
 1つ目は、「1.大量の野菜や果物を食べる」ことで、その理由は次のようです。
 一つ目は、必要なミネラル、ビタミン、ファイトケミカルが得られることです。なお、ファイトケミカルの例としましては、ケルセチン、DIM(ジインドリルメタン)、I3C(インドール-3-カルビノール)、ルテオリン、EGCG(エピガロカテキン3-ガレート)などがあります。なお、その他にも多くあって、既にupしている『優れた抗がん作用を示すファイトケミカルの一覧』に記載していますので、必要に応じてご覧ください。
 二つ目は、大腸にまで届く難消化性の繊維質が得られることです。
 三つ目は、その繊維質によって多種類の有効な腸内細菌が増えることです。また、それによって腸管内で発生する有害物質が消費されたり無毒化されると共に、がんを抑えたり大腸上皮細胞のエネルギー源になる酪酸を増やすことが可能となります。なお、これの詳細は『大腸がんを防ぐための基本的な心構え』に記しています。

 2つ目は、「2.食餌で得られないものはサプリメントで補充する」ことです。通常の食餌では充分に得られないものの代表例としましては、マグネシウム、亜鉛、ω3系脂肪酸、タウリン、各種のビタミン、ナイアシン、L-カルニチン、シトルリン、クエン酸、各種ファイトケミカル、などがその主なものとなります。従いまして、通常の食餌に加えてこれらをサプリメントとして摂取する必要があるわけです。 

 3つ目は、「3.主食は玄米、あるいは玄米を含んだ五穀にする」ことです。これの最大の目的は、γ-オリザノールなどの抗がん成分を得るためです。また、出来れば冷えた玄米ご飯によって、難消化性の繊維質(β-デンプン;レジスタントスターチ)を得ることが望ましいです。なお、温かい白米ご飯は消化が良いため大腸まで届かず、酪酸菌のエサが無くなり、ポリープができやすくなったり、血糖値の急上昇をもたらすことになります。なお、レジスタントスターチの詳細につきましては『冷えた玄米ご飯のメリットは絶大である』に記しています。

 4つ目は、「4.発酵食品を積極的に食べる」ことです。発酵産物には遊離アミノ酸や、菌類の代謝産物など、多くの有用な成分が含まれていますので、これらもがんを抑制することになります。なお、具体例としては『酒粕には米と麹と酵母の機能性成分が凝縮されている』をご覧ください。

 5つ目は、「5.キノコや海草類を積極的に食べる」ことです。これらには、免疫力を高める多糖類が多く含まれています。また、水溶性の食物繊維も多いため、特に消化器系のがんには有効性が高くなります。なお、これの詳細は『キノコの細胞壁を構成するβ-グルカンの抗がん作用など』や、『褐藻に含まれるフコイダンは消化管粘膜に直接作用する』に記しています。

 次に、大項目の3つ目として、「【3】 がんが抑制される生活をする」を挙げました。そして、これの具体的な対策として次の8つを挙げました。1. 運動を適度に行う 2. 日光(紫外線~赤外線)を適度に浴びる 3. 体を冷やさないようにし、温める 4. フィトンチッド(精油成分)を多く吸う 5. 自然環境の音(虫、鳥、水の音など)を聴く 6. 多く笑い、快活に過ごし、ストレスを溜めない 7. 人や動物とのスキンシップを多くもつ 8. 早寝早起きで規則正しい生活をする、の8つです。
 なお、上記の個々に関する作用機序につきましては、既に一つの記事にしているものもありますので、それらの代表例を次に示しておきます。『運動中の筋肉から出る主要なマイオカインの全貌』、『日光は確実にがんを遠ざける』、『がんを治すも防ぐも基本は温めることである』、『精油成分を吸い込むことも凄く大切』、『森林浴でα-ピネンを吸えば病気知らず』、『生命信号を浴びると心身の機能が高まる』、『〝免疫力〟って何? 高めればよい?』、『痛いところに手を当てる理由』、『眠らない街が現代病を連れてきた』などです。
 また、栄養戦略的なことに関しましては次のような記事、『ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する?』、『がん細胞の栄養戦略 ~厳しい条件を与えるほどパワーアップする~』などがありますので、必要に応じてご参照ください。

 
執筆者
清水隆文

( stnv基礎医学研究室,当サイトの keymaster )
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